Gmailワンクリック解除に必要な「List-Unsubscribeヘッダ」とは? 導入で得られる4つのメリットとその効果

Gmailワンクリック解除に必要な「List-Unsubscribeヘッダ」とは? 導入で得られる4つのメリットとその効果
目次

1.はじめに

1-1.Gmailワンクリック解除とは?

Googleが定める「メール送信者ガイドライン」では、2024年2月1日以降にGmailアカウント向けに5,000通以上のメルマガを配信する場合に、様々な要件を満たすよう求めています。

その要件の一つに「簡単に登録解除できるようにする(ワンクリックで登録解除できるようにする)」というものがあります。ワンクリックで登録解除できるようにする仕組みを、本記事では「Gmailワンクリック解除」と呼びます。

1-2.Googleが定める「1日にGmailアカウントへ5,000通以上のマーケティングメールを送るメール送信者ガイドライン」

2024年2月1日以降から新しく定義されているGmailのガイドラインがあります。

「すべての送信者 」「 1日に5000件以上のメール送信者」という区分けでそれぞれガイドラインが定められており、特に後者に対しては厳しい要件が求められています。

5,000名以上の顧客メルマガを送っているEC事業者は、「1日に5,000件以上のメール送信者」という区分になります。

ガイドラインでは、1日に5000件以上のマーケティングメールを送信する場合には、メッセージにワンクリックでの登録解除機能を実装することが義務付けられています。
以下、Googleのガイドラインからの抜粋になります。


2024 年 2 月 1 日以降、Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する送信者は、このセクションに示す要件を満たしている必要があります。

  • マーケティング目的のメールと配信登録されたメールは、ワンクリックで登録解除できるようにし、メッセージ本文に登録解除のリンクをわかりやすく表示する必要があります。詳細


2024 年 2 月 1 日より前に 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する場合も、できるだけ早くこの記事のガイドラインに沿って対応してください。この期限までに送信者の要件を満たすことで、メールが確実に配信される可能性が高まります。この記事の要件を満たしていない場合、メールが想定どおりに配信されなかったり、迷惑メールに分類されたりする可能性があります。メール配信に関して問題が発生した場合は、トラブルシューティングをご覧ください。

出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「メール送信者のガイドライン」
https://support.google.com/a/answer/81126


このように簡単にワンクリックでメール購読を解除できる仕組みというのは今後、どのようなメールソフトでも必須で求められる機能となっていくでしょう。
ワンクリック解除を導入するために必要な設定が、「List-Unsubscribeヘッダ」です。

本記事では、「List-Unsubscribeヘッダ」の基本から、メリット、設定方法など詳しく解説していきます。

2. 「List-Unsubscribeヘッダ」とは?
















「List-Unsubscribeヘッダ」とは、受信者による購読解除(オプトアウト)を簡単にするための仕組みです。

たとえば、あなたが何かしらのサービスのメルマガを受け取っていて「このメールはもういらないな」と感じているとします。そんな時、大体メルマガの下部を見ると「配信停止はこちら」といったリンクが設置されているのでそこから手続きをして購読を解除しますよね。

この「購読解除の流れ」をもっと便利に、ユーザーが手間なく短い操作で完了できる仕組みが List-Unsubscribeヘッダを用いたワンクリック解除 です。

2-1. List-Unsubscribeヘッダによるワンクリック解除の仕組み

List-Unsubscribeヘッダは、メールのヘッダ部分に設定されます。
受信者はメールヘッダから「購読解除」のリンクを見つけ、クリックするだけで簡単にメルマガの配信を停止できます。





Gmailで受信した場合このように表示されます。
Gmail,iOSメール,Yahoo!メールMicrosoft Outlookといったメールソフトは、いずれもList-Unsubscribeヘッダに対応しています。

3. List-Unsubscribeヘッダを導入するメリット4選

3-1. 顧客満足度と信頼度の向上

まずは先ほども述べたように、企業の信頼度向上につながるといったメリットがあります。

List-Unsubscribeヘッダを導入すると、顧客は簡単にメール購読を解除できます。このスムーズな解除方法は顧客満足度を高めます。
顧客の選択の自由はブランドへの信頼性を向上させるため、顧客が自分で簡単に配信停止を管理できる環境は、ブランドに対するポジティブな印象を与えるでしょう。

3-2. 迷惑メール判定リスクを軽減

List-Unsubscribeヘッダを導入すると、迷惑メール判定リスクが大幅に減少します。受信者が簡単に購読解除できる手段を提供することで、スパムとして報告される可能性が低くなるからです。

3-3. 業務効率化

配信停止リクエストの処理が自動化され、業務の効率化が促進されることもメリットの一つでしょう。自動化により、問い合わせ対応の時間を大幅に削減できます。
また、配信停止リクエストの処理が簡素化され、メール配信リストの管理もスムーズに行えます。

3-4. リストの最適化による到達率向上

顧客の信頼を得ることで開封率やクリック率も向上するでしょう。
また、適切な解除方法を提供するメールとして評価されればIPアドレスやドメインのレピュテーションを高く保つことができます。結果として、配信成功率を向上が見込めます。


上記のように、ユーザー体験の向上だけでなく、送信者側のレピュテーションを高め、将来的により良いメールマーケティングが行える効果が見込めます。

4. List-Unsubscribeヘッダの導入方法

4-1. List-Unsubscribeヘッダの簡単な設定手順



まず、使用しているメール配信システムがList-Unsubscribeヘッダに対応しているか確認しましょう。多くのメール配信ツールでは、標準でList-Unsubscribeヘッダによるワンクリック解除に対応しています。
通常、特に設定しなくてもメール配信システム標準のList−Unsubscribeヘッダが挿入される仕組みになっています。

4-2.(参考) List-Unsubscribeヘッダの例

List-Unsubscribeには下記2つの指定オプションがあります。
①mailto:配信停止リクエストをメールで送信するためのメールアドレスを指定する
②HTTPS:配信停止の手続きをするためのURLを指定する

シンプルな例

List-Unsubscribe: <https://example.com/unsubscribe/example>
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click

mailtoをとHTTPSを併記する例

List-Unsubscribe:
    <mailto:request@example.com?subject=unsubscribe>,           <https://example.com/unsubscribe.html?opaque=123456789>
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click

こちらは併記することでどちらも同時に利用できます。

4-3.(参考)RFC8058について

List-Unsubscribeヘッダを導入するにあたって押さえておきたいポイントとして「RFC8058」があります。「RFC8058」とはList-Unsubscribeヘッダの仕組みを定義している謂わばルールブックのようなものです。
GmailのガイドラインではList-UnsubscribeヘッダをRFC8058を参照して実装するように明記されていますので、しっかりと要点を確認しておきましょう。

配信停止リンクは「HTTPS」が必須
RFC8058では、配信停止リンクに必ずHTTPSを使用することを求めています。
HTTPSを使うことで、通信が暗号化され、悪意のある第三者によるデータの傍受や改ざんを防ぐことができます。安全なリンクを提供することは、受信者との信頼関係を築く上で欠かせないポイントです。
ンクには固有な「トークン」を使用する
配信停止リンクを設計する際、リンクには「受信者ごとに固有なトークン」を含める必要があります。このトークンを使うことで、対象の受信者を正確に識別できます。
一方で、リンクのパラメータにメールアドレスなどの個人情報を直接含めることは、プライバシー保護の観点から避けるべきであるとされています。
配信停止前に「確認のステップ」を設ける
リンクをクリックされたらすぐに配信停止を行うのではなく、確認画面を表示する仕組みを設けることが推奨されています。
このプロセスにより、意図しない配信停止を防ぎます。

参照:RFC 8058, Jan. 2017. 
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc8058

6.さいごに














本記事では、List-Unsubscribeヘッダの概要から導入のメリットや設定方法、効果測定に至るまで、メールマーケティングにおける重要なポイントを解説してきました。

ここまでの内容をサクッとおさらいしていきましょう。

List-Unsubscribeヘッダの概要
List-Unsubscribeヘッダは、購読者が簡単にメール購読を解除できる仕組みで、ワンクリックでの配信停止が可能です。これにより、ユーザーは購読解除にストレスを感じず、企業側も信頼度を高めることができます。

導入のメリット
顧客満足度の向上: 簡単な購読解除により、ユーザーのストレスを減少させ、企業への信頼を促進。
迷惑メール判定リスクの軽減: 適切な解除方法を提供することで、レピュテーションの好影響。
業務効率化: 配信停止処理の自動化により、対応の手間が削減され、リスト管理が効率化。
リストの最適化による配信精度向上: リストのクリーンアップが進み、ターゲット層へのアプローチがより効果的に。

導入の手順と注意点
多くのメール配信システムでは、List-Unsubscribeヘッダを簡単に設定することが可能です。導入する場合は、テストメールを送信して正常に動作するか確認しましょう。また、定期的に適切に機能しているかをチェックしましょう。

まずは自社で利用しているメール配信システムが、List-Unsubscribeに対応しているか確認してみましょう。


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