店舗で買っていただいた商品を起点に、同じお客様をECへ自然に送客する。
これがOMO時代のCRMで売上とLTVを伸ばす鍵です。店舗の購買データを活用し、ECで一緒に買われやすい商品をレコメンドメール・オンデマンドDM・LINEで自動的に届ければ、店舗の一回購入は、ECでも続くお客様との関係づくりに変わります。
本記事では、店舗とECの両方を運営するCRM/マーケティング担当者に向けて、店舗購買データを使ったEC送客施策の仕組み・チャネル別の使い分け・導入ステップを、EC特化CRMツール「EC Intelligence」の実機能をもとに解説します。
店舗→EC送客施策とは?

店舗→EC送客施策とは、店舗POSの購買履歴を起点に、同じお客様のEC上の行動(閲覧・購入)データを掛け合わせ、次に買いそうな商品をメール・DM・LINEで自動レコメンドする一連のCRM施策です。
ポイントは「購入してくれた事実」を使い切ること。店舗のお客様は商品体験をすでに済ませています。そこに「ECではこれと一緒によく買われています」というレコメンドを届ければ、広告で新規認知を取るよりはるかに低コストで、高い反応が期待できます。
従来のメルマガ・DMとの違い
なぜ今、店舗会員のEC化がCRMの最重要テーマなのか
店舗会員のEC化が重要な理由は、店舗単独では購買頻度に上限があること、クロスユース顧客はLTVが高いこと、POSとECのデータ分断がレコメンド精度を下げていること、の3点に集約されます。
理由1:店舗単独の購買頻度には限界がある
店舗だけで接点を持つお客様は、来店タイミングに購買機会が依存します。ECを併用していただければ「思い出した瞬間に買える」チャネルが追加され、購買頻度は自然に上がります。既存顧客のEC化は、店舗運営企業に残された最大の伸びしろです。
理由2:ECと併用する顧客はLTVが高い
店舗・EC両方を利用するクロスユース顧客は、片方だけの顧客と比べてLTVが高い傾向があります。買うときの選択肢が増えるほど想起回数が増え、ブランドへの接触とロイヤルティが高まるためです。実際に、AIレコメンドメールやリタゲメールを継続運用したワインECでは、導入後3年でLTVが12%向上した事例があります(EC Intelligence導入事例の実測値)。レコメンドを軸にした継続接触が、LTVを押し上げることを示しています。
理由3:データの分断がマーケ精度を下げている
多くの企業で、POSのデータとECのデータは別システムに保管されています。結果として「店舗で何を買ったか知らないままECでメールを送る」状態になり、レコメンドの精度が落ちます。店舗データとEC行動データを同一の会員IDで統合できてはじめて、本当の意味でのOne to One CRMが成立します。
店舗の購買データをECレコメンドに活かす仕組み(3ステップ)
EC Intelligenceでは、①店舗購買履歴を会員ID単位で取り込み、②ECで「よく一緒に買われる商品」を自動算出し、③メール・オンデマンドDM・LINEへ出し分ける、の3ステップで店舗→ECクロスユース施策を自動化します。
Step1:店舗購買履歴をアナライズに取り込む
アナライズ機能は、EC上の閲覧・購入データに加え、店舗POSの購買履歴を会員IDに紐づけて取り込めます。これにより、同じお客様の店舗とECの購買行動を1つのビューで把握できます。既存のPOSや会員基盤を大きく変えずに、CRM活用に必要なデータだけを抽出可能です。
統合後は、たとえば「店舗で買ったがECでは未購入のお客様」を抽出したり、RFM分析を店舗+EC合算で実施したりと、チャネルを横断した顧客把握ができるようになります。
Step2:EC上の「よく一緒に買われる商品」を自動算出
レコメンド機能が、ECサイトでの閲覧数・購入数・共起関係をもとに、店舗購入商品と一緒によく買われている商品を自動で算出します。
例:店舗でコーヒー豆を購入 → ECでドリッパー・フィルター・ミルをレコメンド
例:店舗でスキンケアを購入 → ECでライン使いコスメ・詰め替え用品をレコメンド
Step3:メール・オンデマンドDM・LINEへ出し分け
算出したレコメンドは、メール機能・オンデマンドDM機能・LINE連携を通じて配信されます。同じレコメンドロジックから、顧客のチャネル特性に合わせて最適な接点で届けられるのがEC Intelligenceの強みです。
店舗とECのデータが1つの顧客IDで統合されているため、重複案内を自動で回避でき、店頭購入者に対して「初回EC購入で送料無料」といったオファーを自動配信して、店舗ファンをECリピーターへ育成できます。
チャネル別:レコメンドの届け方と使い分け
メールは低コストで即日実装できる定番、オンデマンドDMはデジタル疲れ層やEC不慣れ層への物理動線、LINEは高い開封率と即時性での行動直後送客と、特性に応じて使い分けます。
レコメンドメール:低コストで即日実装できる定番
もっとも手軽な起点がメールです。店舗購入から一定期間後にレコメンド商品を自動配信するシナリオを設定すれば、運用工数をほぼ増やさずに店舗→ECの動線を常設できます。件名・本文への商品名差し込みで「あなたへのご案内感」を演出するのが鉄則です。
オンデマンドDM:デジタル疲れの層へ響く紙の強み
メルマガ停止やLINEブロックを選ぶ層が一定数存在する中で、紙のDMは依然として開封率の高いチャネルです。オンデマンドDM機能では、対象顧客ごとに異なる商品をレコメンド掲載した1枚もののDMを生成できます。ECに不慣れな店舗会員層には「QRコード→スマホでEC」という動線を紙で用意し、ECデビューのハードルを物理的に下げられます。
LINE:開封率とリアルタイム性で即時送客
LINEは開封率がメールより高く、即時性のあるコミュニケーションに向いています。店舗購入直後のお礼メッセージにECのレコメンド商品を1〜2点だけ添えるなど、行動直後のモーメントを捉えた送客で成果を出しやすいチャネルです。
導入ステップ:何から始めればよいか
導入は、次の5ステップで進めるのが基本です。スモールスタートでメール1チャネルから常設化し、効果を見ながらDM・LINEへ広げると失敗しにくくなります。
- 会員IDの名寄せ:店舗POSとECの会員を同一IDで紐づけられる状態にする。
- データ取り込み:店舗購買履歴をアナライズに取り込み、店舗+ECの統合ビューを作る。
- レコメンドロジック設定:「店舗購入商品と一緒に買われるEC商品」の算出条件を設定する。
- チャネル別シナリオ設計:まずレコメンドメールを常設化し、DM・LINEへ拡張する。
- 効果測定:クロスユース率・EC送客数・LTVをKPIに、継続的に改善する。
店舗×ECのOMO・クロスユース施策で得られた成果(導入事例)
■ アパレル:店舗スタッフへ「顧客カルテ」を共有し、実店舗での接客品質を向上
- 施策内容: ECと実店舗のデータを統合し、優良顧客の店舗・オンラインを含めた買い回り状況を画像付きで店舗スタッフへ自動共有。また、オンライン注文で「店舗受け取り」を指定した顧客の「お気に入り商品」や「閲覧商品」の情報も事前に店舗へ共有しました。
- 効果: 来店前に顧客の興味関心を把握できるため、「このお客様はECでこの商品をよく見ています」という情報をもとに、店舗スタッフがパーソナライズされた精度の高い接客(クライアンテリング)を行うことが可能になり、オムニチャネルの定着と顧客満足度向上に貢献しています。
- 施策内容: 店舗とECの購買行動を1つの顧客IDで統合・把握。実店舗でトップスを購入した顧客に対し、翌日に「ECでその商品と一緒によく買われている関連商品(ボトムスやアクセサリーなど)」をLINEやメールで自動的にレコメンド配信するシナリオを構築しました。
- 効果: 「店舗での購入」というオフラインの行動をトリガーにして、シームレスに「ECでの関連商品購入」を促す相互送客(クロスユース)が自動化され、店頭購入者のECリピーター化に成功しています。
- 課題: 買取りサービス(主にジーンズ)の認知が低くリユースの仕入れ量を増やす必要があったことと、自社製品がフリマアプリなどで中古転売されるケースが増えているという課題がありました。
- 施策・効果: 店頭でジーンズを購入した顧客に対し、消費サイクルに合わせた約1年後に「買取サービス」の案内をメールやアプリのプッシュ通知で自動配信しました。結果として、買取サービスを知って店舗へ再来店する顧客が増加してリユースの仕入れが安定しただけでなく、買取をきっかけとした「新品への買い替えニーズ」での購入も増えるという好循環を生み出しました。
まとめ:店舗の一回購入を、ECで続く関係に変える
店舗とECを分けて考える時代は終わりました。お客様にとっては「同じブランドで買っている」ことがすべてであり、CRMの役割は、そのブランド体験をチャネルを超えて自然につなぐことです。
店舗での購買を起点に、ECで一緒によく買われる商品をタイミングよくレコメンドする。たったこれだけのシナリオで、店舗会員のクロスユース化・LTVの底上げ・広告費に依存しない売上成長が同時に実現します。
EC Intelligenceは、店舗POSデータの取り込みからレコメンド・メール・オンデマンドDM・LINE配信までをワンストップで自動化するEC特化CRMプラットフォームです。まずは資料で、具体的な機能と他社事例をご確認ください。
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関連記事:OMO戦略とは?メリット・設計手順・成功事例と陥りやすい失敗まで徹底解説
よくある質問(FAQ)
Q. 店舗→EC送客施策とは何ですか?
A. 店舗POSの購買履歴を起点に、同じお客様のEC行動データを掛け合わせ、次に買いそうな商品をメール・DM・LINEで自動レコメンドするCRM施策です。
Q. なぜ広告より費用対効果が高いのですか?
A. すでに購入実績のある既存会員への施策のため、新規認知を広告で取るより低コストで高い反応が期待できるからです。
Q. POSとECのデータがバラバラでも始められますか?
A. 同一会員IDで名寄せできれば統合可能です。既存のPOSや会員基盤を大きく変えずに、必要なデータだけを抽出できます。
Q. どのチャネルから始めるのがよいですか?
A. 最も低コストで即日実装できるレコメンドメールが定番の起点です。EC不慣れ層には紙DM、即時送客にはLINEを併用します。
Q. 効果はどの指標で測りますか?
A. クロスユース顧客比率、EC送客数、クロスユース率、LTVなどで測定します。
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ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。