調査レポート

【ECサイト利用者1,030人に調査】約6割が検索体験が悪かったことで購入を諦めた経験があると回答!検索機能への不満が売上の損失に直結?

【ECサイト利用者1,030人に調査】約6割が検索体験が悪かったことで購入を諦めた経験があると回答!検索機能への不満が売上の損失に直結?
目次


理想の検索体験と離脱を防ぐためのポイントを徹底調査

商品を探しているのに、なかなか見つからないという検索体験にストレスを感じたことはありませんか。

ECサイトでの検索体験は、ユーザーの購入意欲や離脱率に直結する重要な要素です。

検索結果が出るまでに時間がかかることや、欲しい商品が見つからないことで、「買わない」という選択をした方も多いのではないでしょうか。

では、ブランドの公式ECサイトで商品を探すユーザーは、見つからなかったときにどのような行動をとっているのでしょう。

そこで今回、EC・通販特化のパーソナライズド・プレシジョンCRMプラットフォーム『EC Intelligence』(https://www.scinable.com/)を提供している株式会社シナブルは、月1回以上ECサイトを利用する20~50代の男女を対象に、「ブランドの公式ECサイトにおける商品検索にかける時間と購入意欲の関係」に関する実態調査を実施しました。


調査概要:「ブランドの公式ECサイトにおける商品検索にかける時間と購入意欲の関係」に関する実態調査

【調査期間】

2025年12月4日(木)~2025年12月5日(金)

【調査方法】
PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,030人
【調査対象】調査回答時に月1回以上ECサイトを利用する20~50代の男女と回答したモニター
【調査元】株式会社シナブル
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ



商品を探す手段は「検索窓でキーワード検索」が約7割で最多!何回くらい入力し直す?

はじめに、「あなたがブランドの公式ECサイトで商品を探すとき、よく使う手段」について尋ねたところ、『検索窓でキーワード検索をする(74.6%)』と回答した方が最も多く『カテゴリやメニューから探す(39.0%)』『閲覧履歴や購入履歴から探す(24.7%)』となりました。


圧倒的多数が「検索窓」を起点としており、ユーザーは受動的に商品を眺めるよりも、能動的にキーワードを入力して探していることがわかります。

「カテゴリやメニュー」から探す方も約4割いるものの、直接的なキーワード入力が好まれる背景には、欲しい商品への最短経路を求める「タイムパフォーマンス」意識の高まりがあるのかもしれません。

次に、「ブランドの公式ECサイトで買い物をする際、検索機能をどのくらい使うか」について尋ねたところ、約9割が『毎回使う(52.4%)』『ときどき使う(41.3%)』と回答しました。

大多数が検索機能を利用しており、ブランドの公式ECサイトでの購買行動において検索は主流になっているようです。

特に、約半数が『毎回使う』と回答している点から、多くのユーザーにとってブランドの公式ECサイトは「探して買う」場所として機能しており、検索機能の使いやすさがそのままブランドの公式ECサイト全体の利便性評価に直結する可能性が高いといえます。

そのような中、検索機能を利用した際にスムーズに目的の商品にたどり着けている方はどの程度いるのでしょうか。

前の質問で『全く使わない』と回答した方以外に、「検索窓に何回くらい入力し直すことが多いか」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

『5回以上(10.1%)』

『3〜4回程度(35.4%)』

『1〜2回程度(47.7%)』

『1回も入力し直さない(6.8%)』


1回の入力で目的の商品に到達できている方は1割未満にとどまり、大多数が複数回の再検索を余儀なくされている現状が浮き彫りとなりました。

これは、ユーザーが想定するキーワードとECサイトの商品情報のマッチングにズレが生じていることや、検索の精度がユーザーの期待値に達していない可能性を示しています。


実際、検索をやり直さなければならない背景にはどのような理由があるのでしょうか。


前の質問で『1回も入力し直さない』と回答した方以外に、「再検索が必要になる理由」について尋ねたところ、『期待した検索結果が出なかった(56.5%)』と回答した方が最も多く、『検索結果が多すぎて絞れなかった(51.8%)』『検索結果が少なすぎて、十分な情報が得られなかった(22.7%)』となりました。


「期待した検索結果が出ない」という精度の問題に加え、「多すぎて絞れない」というユーザビリティの課題も多く見られました。

単にキーワードにヒットさせるだけでなく、ユーザーの意図をくみ取った適切な絞り込みや表示順の最適化が求められていることがうかがえます。


検索しても目当ての商品が見つからないと「不便さ」を感じる?実際に購入を諦めた方は約6割

こうした検索体験は、ユーザーの心理にどのような影響を与えているのでしょうか。

ここからは、検索機能を『全く使わない』と回答した方以外にうかがいました。


「ブランドの公式ECサイトで検索しても目当ての商品が見つからない、または時間がかかるとどのように感じるか」と尋ねたところ、『不便だと感じる(39.6%)』と回答した方が最も多く、『検索ワードを変えて再挑戦しようと思う(29.5%)』『イライラする(25.1%)』となりました。


約3割が「再挑戦しようと思う」と回答したものの、約4割が「不便」と感じ、4人に1人が「イライラ」するという結果は、検索体験の質がユーザーの感情にダイレクトに影響することを示しています。

さらに、約2割が「他のECサイトで探そう」と考えており、検索のストレスは単なる満足度の低下にとどまらず、競合他社への顧客流出を引き起こすことが懸念されます。


では、具体的にブランドの公式ECサイトの検索のどのような点が、こうしたネガティブな感情を引き起こしているのでしょうか。

「ブランドの公式ECサイトの検索に対して感じる不満点」について尋ねたところ、『検索結果が多すぎて目当ての商品を探せない(36.9%)』と回答した方が最も多く、『表示されるおすすめが的外れ(20.8%)』『表示される商品の並び順がわかりづらい(19.3%)』となりました。


「検索結果が多すぎる」が不満点として最多になり、多くのブランドの公式ECサイトにおいて、商品を整理して提示する機能が不足していることがうかがえます。

また、「おすすめが的外れ」「並び順がわかりづらい」といった回答からは、ブランドの公式ECサイトが提示する情報とユーザーのニーズにミスマッチが生じている様子がうかがえます。

こうした検索に対する不満は、ユーザーの購買意欲にどれほど影響を与えているのでしょうか。

「ブランドの公式ECサイトでの検索体験が悪かったことで、実際に購入を諦めた経験はあるか」と尋ねたところ、約6割が『よくある(9.2%)』『たまにある(53.7%)』と回答しました。


多くの方が、検索体験の悪さを理由に購入を断念した経験があるようです。

これは、検索機能の不備が単なる「使い勝手の問題」を超え、直接的な「売上の損失」につながっていることを明確に示しています。


商品が見つからない場合、約半数が「競合ECサイト」へ流出。理想は「目当ての商品がすぐに見つかる」検索。

では、実際に目当ての商品が見つからなかった場合どのような行動をとるのでしょうか。


「ブランドの公式ECサイトで目当ての商品を探しても見つからなかった場合、どのような行動をとるか」と尋ねたところ、『他のECサイトを使う(47.9%)』と回答した方が最も多く、『検索ワードを変えて再挑戦する(46.4%)』『購入を諦める(22.1%)』となりました。


最も多い行動が他のECサイトの使用」で、僅差で「検索ワードを変えて再挑戦」が続きました。

これは、一度検索に失敗すると、約半数のユーザーが見切りをつけて競合ECサイトへ流れてしまうという事実を示しています。

ユーザーにとって「どのECサイトで買うか」よりも、「今すぐ買える場所はどこか」という利便性が優先される傾向があることがうかがえます。

「検索ワードを変えて再挑戦」する方もいますが、限られた回数内でのことであると推測されます。


では、検索結果が「0件」だった場合、どのようなサポート機能があればユーザーは「助かる」のでしょうか。

「ブランドの公式ECサイトで検索結果が0件だったとき、どのような機能があると助かるか」と尋ねたところ、『類似商品の提案(38.5%)』と回答した方が最も多く、『検索ワードの修正案の提示(23.3%)』『人気商品が表示される(18.0%)』となりました。

「該当なし」という結果表示ではなく、代替案としての「類似商品」の提案を求めているようです。

これは、完全に一致する商品がなくても、似たような商品であれば検討の余地があるという購入意欲のあらわれともとれます。

また、検索ワードの誤りを正してくれる「修正案の提示」や「人気商品の表示」なども、あると助かる機能として上位になりました。

ユーザーは自分のミスをフォローしてくれる親切な設計を期待しているようです。0件を「行き止まり」にせず、次のアクションへの「分岐点」に変える工夫が求められています。


最後に、「理想的なECサイトの検索体験とは、どのようなものだと思うか」と尋ねたところ、『目当ての商品がすぐに見つかる(54.5%)』と回答した方が最も多く、『キーワードが曖昧でも適切な候補が出る(24.0%)』『検索結果がシンプルで見やすい(22.5%)』となりました。


約半数が「目当ての商品がすぐに見つかる」ことを理想としており、検索体験において「スピード」と「正確性」が優先されることがわかりました。

高度なAIチャットや複雑な機能よりも、まずはシンプルに「欲しいものが即座に出てくる」という基本性能の高さが求められています。

また、「曖昧なキーワードでも適切な候補が出る」という回答からは、ユーザー側が完璧なキーワードを用意しなくても、システム側が意図をくみ取ってガイドしてくれるような検索体験が理想とされていることがうかがえます。


検索での「迷子」を減らし、離脱を防ぐことがECサイト売上向上の鍵

今回の調査で、ブランドの公式ECサイトにおける「検索機能」の質が、ユーザーの購入行動に影響を与えている実態が浮き彫りとなりました。

ECサイトを利用する方の約7割が、ブランドの公式ECサイトで買い物をする際、商品探しの起点として「検索窓」を使用しており、約半数が「毎回」検索機能を使っているようです。

しかしながら、現状では大多数が1回の検索で目当ての商品にたどり着けず、複数回の再検索を強いられています。

その主な理由は「期待した検索結果が出ない」や「検索結果が多すぎて絞れない」で、こうした検索精度の低さやフィルタリング機能の弱さが、ユーザーに「不便」「イライラ」といったネガティブな感情を抱かせています。

ブランドの公式ECサイトでの検索体験が悪かったことで購入を諦めた経験がある方は約6割に上り、目当ての商品が見つからない場合には約半数が「他のECサイトを使う」と回答しています。

これは、魅力的な商品を取り揃えていても、検索機能が不十分であれば顧客を逃がしてしまうリスクがあることを示しています。


そのような背景から、検索結果が0件の場合でも「類似商品の提案」や「検索ワード修正案の提示」があれば助かると考える方が多く、行き止まりを回避する導線のニーズも明らかになりました。

理想のECサイトの検索体験として「目当ての商品がすぐに見つかる」ことが最多になったことからも、今後のECサイト運営においては、高度な機能の追加よりも「検索機能の基本品質」を徹底的に磨き上げることが、顧客満足度を高め、確実なコンバージョンへつなげるための最短ルートであると考えられます。




機能に関するご質問やご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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