「広告費をかけても売上が伸びない」「メルマガの反応が年々落ちている」「LINEを導入したいけど何から始めればいいかわからない」——そんな悩みを抱えるEC事業者は少なくありません。
LINEはECサイトのリピート施策と非常に相性の良いチャネルですが、LINE公式アカウント単体では実現できる施策に限界があります。CRMツールと組み合わせることで、カゴ落ち回収・F2転換・休眠顧客の復活といった施策を自動化し、リピート売上を大きく伸ばすきっかけになります。
本記事では、LINE公式アカウントでできること・できないことを整理したうえで、CRMツールとの連携で何が変わるかを体系的に解説します。
EC事業者がLINEを活用すべき理由

ECサイトの売上を伸ばすうえで、LINEが重要なチャネルになっている理由は「メールが届きにくくなっていること」「リピート施策との相性の良さ」「圧倒的な利用者数」の3点です。それぞれ解説していきます。
メールだけでは若年層に届きにくくなっている
近年、スマートフォン利用が中心となったことで、ユーザーがメールを確認する頻度は減った上に、プロモーションタブや迷惑メールフォルダに振り分けられる問題も深刻です。
実際、シナブルの調査では「EC サイトから通知が届いたらすぐ確認する・利用しやすい」と感じる方法として、20代では LINE(55.9%)がメール(46.0%)を上回り最多でした。
30代でも48.5%、40代でも 43.9%がLINEを挙げています。一方で、30代以上では依然メールが最多であり、全年代を一つのチャネルでカバーすることは難しくなっています。
だからこそ、メールに加えてLINEを顧客接点として持ち、年代や行動に応じて使い分けることが重要です。
引用: 株式会社シナブル「ECサイトのコミュニケーション」に関する調査」(調査方法:インターネット調査・調査期間:2025年5月29日(木)〜2025年5月31日(土)・調査人数:1,017人)
LINEはリピート施策と相性が良い
LINEがリピート施策に向いている理由は、プッシュ通知による高い開封率と即時到達性です。一般的なメールマガジンの開封率に対し、LINEはそれを大きく上回る開封率を持ち、タイムセールや再入荷通知など「タイミングが売上を左右する施策」で特に力を発揮します。
さらに、購入後フォローや誕生日メッセージなど、継続的な接点設計がLTVの向上に直結します。
国内利用者数は1億人!生活インフラとして定着
LINEの国内月間利用者数は2025年12月末時点で1億人を突破し、日本の人口の大半をカバーする生活インフラになっています。メールが届きにくくなっている今だからこそ、多くの企業がLINEを顧客との主要な接点として導入しています。
引用:LINEヤフー「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」
LINE公式アカウント単体でできること・できないこと

まずはLINEを活用する前に、LINE公式アカウント単体の可能性と限界を正しく把握しておきましょう。
LINE公式アカウントでできること
LINE公式アカウントには、以下のような基本機能が備わっています。
機能 | 概要 |
友だち追加・管理 | QRコードやリンクで友だちを募集し、リストを管理 |
メッセージ一斉配信 | 友だち全員または属性絞り込みでメッセージを送信 |
ステップ配信 | 友だち追加後の日数に応じてメッセージを自動送信 |
クーポン配信 | 友だち向けのクーポンを発行・配信 |
リッチメニュー | トーク画面下部にメニューを常時表示 |
チャット・自動応答 | ユーザーからの問い合わせに手動・自動で対応 |
これらの機能だけでも、友だちへの情報発信や基本的なコミュニケーションは実現可能です。
LINE公式アカウント単体ではできないこと
一方で、ECサイトのリピート施策を本格的に運用しようとすると、LINE公式アカウント単体では以下の点に限界があります。
購買データと連携できない
LINE公式アカウントは、ECサイト上での購入履歴・閲覧履歴・カートイン情報を持ちません。「誰が何を買ったか」がわからないため、購買データに基づいたパーソナライズ配信は難しいでしょう。
セグメントの精度が低い
LINE公式アカウントが取得できる属性情報は、年齢・性別・地域などのみです。購買回数・購入金額・閲覧商品などECに特化したセグメントを組むことはできません。
シナリオの自動化ができない
「カゴ落ち後1時間でリマインド」「初回購入の3日後にフォロー」といった購買行動に連動したシナリオを自動で回す仕組みもありません。
効果測定が不十分
配信後の購買転換率やLTVへの貢献など、売上に直結するKPIをLINE公式アカウント単体で計測することは困難です。
LINE公式アカウントにCRMツールを連携させると広がること

LINE公式アカウントにCRMツールを連携させることで、上記の限界を解消できます。ポイントは「行動に合わせた自動配信」「購入機会を逃さない通知」「顧客ごとの最適化」の3つです。
1. 行動に合わせた自動配信
顧客の行動(カートイン・商品閲覧・購入・一定期間の未購入など)をトリガーに、LINEメッセージを自動で配信できます。たとえば「カートに商品を入れたが購入しなかった顧客に1時間後にリマインドを送る」「初回購入の3日後にフォローメッセージを送る」といった施策を、担当者が手を動かすことなく自動で実行します。
2.購入機会を逃さない通知
お気に入り登録した商品の値下げ・再入荷・在庫僅少といった変化を自動検知し、そのタイミングでLINE通知を届けることも可能です。購買意欲がもっとも高まっている瞬間にアプローチできるため、通常の配信と比べてクリック率・購入率が大きく向上。
ポイント有効期限の通知や誕生日メッセージなども自動化でき、顧客にとって「欲しい情報だけが届く」体験を設計できます。
3.顧客ごとに最適化したコミュニケーション
全友だちに一斉配信を続けると、興味のない顧客にもコストをかけてメッセージを送り続けることになります。LINEはメールと比較して1通あたり2〜3円程度と配信コストが高いため、無駄な配信は減らしたいもの。
年齢・性別・購買履歴・興味関心などのデータをもとに顧客をセグメントに分け、メッセージをパーソナライズして配信すれば、「欲しい情報だけが届く」顧客にだけ届く配信に変えられ、開封率・クリック率を高められます。
リッチメニューの表示も顧客ごとに最適な導線を提示することが可能です。
購買フェーズ別|ECで成果が出るLINE CRM施策4選

CRMツールとLINEを連携させることで実現できる施策は多岐にわたりますが、とくに成果が出やすいものを購買フェーズ別に4つ紹介します。
カゴ落ちフォロー|離脱直後の顧客を取り戻す
カゴ落ちとは、商品をカートに入れたまま購入せずにサイトを離脱した状態のこと。カゴ落ちした顧客はすでに購買意欲が高い状態のため、タイミングよくLINEでリマインドするだけで購入に至りやすく、費用対効果の高い施策です。
さらに、カートに入れた商品に加えてレコメンド商品も合わせて提示することで、クリック率・購入率がさらに向上します。
F2転換促進|初回購入者を2回目につなげるシナリオ
初回購入後にサンクスメールだけで終わっているECサイトは多いですが、F2転換率がその後のリピート率・LTVを大きく左右するため、最優先で取り組むべき施策のひとつです。
購入翌日〜数日後にLINEで使用感フォローを送り、1〜2週間後に関連商品レコメンドを配信するシナリオが効果的です。購入商品・閲覧履歴に基づいてメッセージをパーソナライズすることで、転換率がさらに高まります。
休眠顧客の掘り起こし|眠っている顧客を復活させる
休眠顧客とは、一定期間購入のない会員のことです。新規獲得コストが高騰する現在、すでにブランドを知っている休眠顧客を復活させることは、コストパフォーマンスの高い施策です。
購買履歴をもとに「最後に購入した商品カテゴリ」「購入回数」などでセグメントを組み、「お久しぶりクーポン」や「あなたへのおすすめ商品」をパーソナライズして届けることで、復活率の向上が期待できます。
お気に入り・再入荷・値下げ通知|購買意欲が高い瞬間を逃さない
お気に入り登録した商品に値下げ・再入荷・在庫僅少の変化があった際に、自動でLINE通知を送る施策です。「欲しかったのに買えなかった」「気になって登録したまま忘れていた」という顧客に対して、購買意欲が高まった瞬間にアプローチできます。
商品画像・定価・値引き後価格まで自動で差し込んだメッセージが届くため、顧客はワンタップで購入ページへ遷移します。
週次ランキング・誕生日・天気連動|接点を増やす自動配信
売上データから人気商品ランキングを自動集計してLINEで配信したり、会員の誕生日に合わせてクーポン付きメッセージを自動送信したりと、販促以外の「役立つ・うれしい」接点も自動化できます。
さらに、天気情報と連動し、「猛暑日予報のため冷感アイテムをおすすめ」「雨予報のためデリバリーの提案」のように生活シーンに寄り添った提案を送ると、一方的な販促から“心 遣い”のコミュニケー ションへと変わり、ブロック抑制とファン化につながります。
EC IntelligenceのLINE CRM機能
EC Intelligenceは、ECサイト特化のMA・CRM・CDP(顧客データ基盤)を統合したプラットフォームです。上記で紹介した4つの施策を含む、LINEを軸にしたCRM施策を一気通貫で自動化します。
購買データ×LINEのセグメント・パーソナライズ配信

年齢・性別・購買履歴・閲覧履歴・興味関心など多軸のデータをもとに配信対象を精密に絞り込み、顧客ごとに最適なメッセージを配信します。
顧客の「購入回数」「購入商品」「属性」に応じて、最適なリッチメニューを表示することも可能。一人ひとりに合った導線を提示することで、連携後の体験価値を向上します。
レコメンドや再入荷・値下げ自動通知

お気に入り登録商品の価格変動・再入荷・在庫僅少を自動検知し、商品画像・価格情報を差し込んだLINEメッセージを自動配信します。カゴ落ち・閲覧落ちフォローにレコメンド商品を添えた配信も自動化でき、カゴ落ちメールにレコメンドを加えることでサイトへの誘導を促します。
特別オファー・シークレットセール

特定の会員だけに向けたクローズドなクーポンや割引情報も自動で抽出・配信できます。全体セールと比べて利益率を確保しながら在庫を消化でき、会員の「自分だけの特別感」を刺激することで購買意欲とエンゲージメントの向上を同時に実現します。その他、天気情報を利用して顧客の生活シーンに寄り添うメッセージを送ることも可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1.LINE公式アカウントだけでもCRMはできますか?
A.一部は可能ですが、本格的なCRM施策には限界があります。
LINE公式アカウント単体では購買データを保持できないため、顧客の購入履歴や行動データに基づいたパーソナライズ配信・シナリオの自動化は実現できません。より精度の高いセグメント配信や自動化を行うには、購買データと連携したMAツールの活用が必要です。
Q2.メールとLINEはどちらを優先すべきですか?
A.どちらか一方ではなく、両方を使い分けることが理想です。
メールは情報量が多い詳細な案内に、LINEはタイムリーな通知や短いメッセージに向いています。さらに「メール未開封の顧客にのみLINEを送る」というチャネル横断シナリオを組むことで、両方の強みを最大化しながら過剰接触を防げます。
Q3.LINE配信はブロックされませんか?
A.一斉配信を続けると、関係のない情報を受け取り続けた顧客にブロックされるリスクがあります。顧客の興味・購買履歴に基づいたセグメント配信を行い「欲しい情報だけが届く」体験を提供することで、ブロック率を抑えながらエンゲージメントを高められます。
Q.LINE配信のコストはどのくらいですか?
A.LINEはメールより配信単価が高く、1通あたり 2〜3円程度が目安です。だからこそ、全員への一斉配信ではなく、購買意欲の高い顧客に絞ったセグメント配信が費用対効果の面で重要になります。
まとめ
ECサイトでLINEを売上に活かすには、「配信ツール」から「CRMチャネル」として設計することが重要です。
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