コラム

コスメEC×MA活用|世代で変わる購買行動をつかむ配信の方法

コスメEC×MA活用|世代で変わる購買行動をつかむ配信の方法
目次

コスメのECでは、同じ「20〜30代の女性」でも、情報を集めるSNSも、参考にする声も、実際に買う商品も世代によって大きく異なります。そのため、全員へ同じ内容を届ける一律の訴求では響きにくく、世代ごとに接点とメッセージを変える発想が欠かせません。なお本記事では、Z世代をおよそ10代後半〜20代半ば、ミレニアル世代を20代後半〜30代として扱います。

本記事は、シナブルが「月1回以上ECサイトでコスメを購入するZ世代・ミレニアル世代の女性」1,024名に実施した購買意欲実態調査(2025年3月)をもとに、SNSが購買に与える影響、世代によるチャネルと情報源の違い、買われる商品や決め手の差、そしてそれらをふまえたコスメECのMA(マーケティングオートメーション)施策として、世代別のセグメント配信までを整理します。

世代別の違い(早見):まず全体像を、Z世代・ミレニアル世代の主な違いで俯瞰します。

項目

Z世代

ミレニアル世代

影響するSNS

Instagram 70.6% / TikTok 52.7%

Instagram 73.8% / YouTube 47.3%

参考にする声

インフルエンサー・有名人 61.7%

一般ユーザーの口コミ 65.8%

購入上位アイテム

化粧水 51.8% / リップ 49.1% / アイシャドウ 45.9%

化粧水 68.7% / 美容液 53.9% / ファンデ 49.7%

購入タイミング

SNSで話題 54.9% / インフルエンサー紹介 39.9%

ポイント還元・クーポン 41.2% / ストック切れ 40.2%

購入の決め手(全体)

口コミ・レビュー評価 38.7%(価格 30.9%を上回る)

同左

*出典:シナブル「コスメ購買意欲の実態調査」2025年3月(n=1,024)

コスメECの購買は、SNSにどこまで左右されるのか?

ポイント:SNSがコスメの購買意欲に影響すると答えた割合は、Z世代で約86%、ミレニアル世代で約79%(シナブル調査, n=1,024, 2025年3月)。SNSはもはや購入検討の入り口であり、無視できない接点です。

SNSがコスメの購買意欲に影響すると答えた割合は、Z世代で約86%、ミレニアル世代で約79%(いずれも「とても」+「やや」影響の合計)でした。新商品の発見から使用感の確認、購入の後押しまで、SNSが一連の検討プロセスに深く関わっていることがわかります。

ECで購入する主な理由は「手軽さ」(店舗に行かなくても手軽に購入できる:60.3%)であり、価格帯は1,000円〜3,000円未満が最多(35.3%)でした。ただし3,000〜5,000円未満(34.7%)もほぼ同数で、1,000〜5,000円未満で約7割を占めます。手に取りやすい価格帯の商品を、SNSで見かけて気軽に試す、という購買行動が広がっています。だからこそ、SNSでの接点と自社ECでの提案をいかに滑らかにつなぐかが、コスメECの成果を左右します。

コスメは「毛穴」「高保湿」「マットな仕上がり」といった“悩み・なりたい”で探されます。EC Intelligence(ECI)は商品情報(商品名・説明文・カテゴリ)を解析してこうしたキーワードを自動で付与し、それがサイト内検索でもヒットし、レコメンドや配信まで同じキーワードで一貫します。SNSで見かけた文脈のまま、自社ECで再会させられるのが強みです。

世代によって、SNSの使い方はどう違うのか?

ポイント:Instagramは両世代に影響(Z世代70.6%/ミレニアル世代73.8%)しますが、TikTokはZ世代(52.7%)への影響が特に強いのが特徴です。参考にする声も、Z世代はインフルエンサー・有名人(61.7%)、ミレニアル世代は一般ユーザーの口コミ(65.8%)と分かれます。

影響するSNSを見ると、Instagramは両世代ともに高い影響力(Z世代70.6%・ミレニアル世代73.8%)を持つ一方、TikTokはZ世代(52.7%)への影響が際立ちました。ミレニアル世代ではYouTube(47.3%)が上位に入ります。さらに、Z世代はインフルエンサー・有名人の発信(61.7%)を重視するのに対し、ミレニアル世代は一般ユーザーのリアルな口コミ(65.8%)を重視する傾向が見られます。

つまり、同じ「SNS経由」でも、届く場所と信頼される声の種類が世代でまったく違うということです。Z世代にはTikTokやインフルエンサーを起点にした発見の体験を、ミレニアル世代にはInstagramや一般ユーザーの口コミによる納得の材料を用意する、といった作り分けが効いてきます。

買われるコスメは、世代で違うのか?

ポイント:化粧水は世代を問わず最も購入される定番(Z世代51.8%/ミレニアル世代68.7%)です。一方、美容液(53.9%)やファンデーション(49.7%)はミレニアル世代に多く購入される傾向があり、世代で購入品目が分かれます。

購入されるコスメを見ると、化粧水がもっとも多く(Z世代51.8%・ミレニアル世代68.7%)、世代を問わない定番であることがわかります。加えて、美容液(53.9%)やファンデーション(49.7%)はミレニアル世代によく購入されており、年齢に応じて関心がスキンケアの深掘りやベースメイクへと広がっていく様子がうかがえます。

また、コスメを購入するタイミングも世代間で異なります。Z世代は「SNSで話題を見かけたとき」(54.9%)が突出する一方、ミレニアル世代は「ストックが切れそうなとき」(40.2%)や「ポイント還元・クーポン」(41.2%)が上位です。同じ商品でも「いつ、どんな文脈で」提案するかを変えることが、購入の後押しにつながります。化粧水のような消耗品は、なくなる頃に再提案できるかどうかがリピートの分かれ目になります。

購入の決め手になるのは何か?

ポイント:最も重要な購買要因は「口コミ・レビュー評価」(38.7%)で、価格(30.9%)を上回ります。手軽さを理由に選ばれるコスメECでは、他者の評価が最後のひと押しになります。

ECでコスメを購入する理由は「手軽さ」が中心ですが、実際に購入を決める最大の要因は「口コミ・レビュー評価」(38.7%)で、価格(30.9%)を上回りました。実物を試せないECだからこそ、先に使った人の評価が、失敗したくない気持ちを和らげる判断材料になっています。

この傾向は、商品ページやサイト内での口コミ・レビューの見せ方が、そのまま購入率に響くことを意味します。世代ごとに信頼する声が違う点をふまえ、Z世代にはインフルエンサーや話題性を、ミレニアル世代には一般ユーザーの具体的なレビューを、それぞれ見えやすい形で届けることが有効です。

レビューは購入前の判断材料であると同時に、購入後に集めることで次の顧客の背中を押す資産にもなります。購入から少し経った顧客に使用感を尋ねてレビューを集め、それを商品ページやサイト内接客で見せる——この循環をつくれれば、口コミが自然に積み上がり、失敗したくない気持ちに応えられるサイトへと育っていきます。集めた声は、商品改善や新商品の企画にも活かせます。

購入のタイミングと価格帯を、どう味方につけるのか?

ポイント:購入タイミングは世代で異なり(Z世代=SNSで話題54.9%/ミレニアル世代=ストック切れ40.2%)、価格帯は1,000円〜3,000円未満が最多(3,000〜5,000円未満とほぼ同数)です。気軽に試せる価格帯だからこそ、買い時を捉えた提案が購入とリピートを後押しします。

コスメを購入するタイミングは世代間で違い、Z世代はSNSで話題を見かけたとき(54.9%)やインフルエンサーの紹介(39.9%)、ミレニアル世代はストックが切れそうなとき(40.2%)やポイント還元・クーポン(41.2%)が上位でした。同じ商品でも、その人が「今ほしい」と感じる瞬間に提案が届くかどうかで、反応は大きく変わります。買い時を捉えられれば、他店やドラッグストアに流れる前に、自社ECでの購入へ導けます。

最多の価格帯が1,000円〜3,000円未満(35.3%/3,000〜5,000円未満34.7%とほぼ同数)で、購入理由が「手軽さ」であることは、コスメECが気軽なトライアルの場になっていることを示します。手に取りやすい価格で初めて試した顧客を、レビューの提示や使用感アンケート、なくなる頃の再提案でリピートへとつなげることが、単発で終わらせないための鍵になります。たとえば化粧水なら、前回購入から使い切る目安(平均使用サイクル)に合わせて再購入を案内する、といった設計が有効です。セット販売やまとめ買いの提案で、送料の負担感をやわらげながら客単価を高める工夫も効きます。

世代別に売り方を変えるMA施策は、どう組み立てる?

ポイント:チャネルの出し分け、レビュー・口コミを軸にしたWeb接客、化粧水など消耗品のリピート化の3つが柱です。世代セグメントを起点に、接点とメッセージをそろえます。

調査で見えた「世代でチャネルも情報源も購入品も違う」という事実は、会員データを使ったセグメント配信で応えられます。ポイントは、まず世代というセグメントを軸に据え、そこに一人ひとりの閲覧・購入履歴を重ねて、接点と訴求を最適化することです。

世代に合わせたチャネルの出し分け Z世代には親和性の高いアプリのプッシュ通知やLINEで手軽に、ミレニアル世代にはメールやサイト内での丁寧な提案で、といったチャネルの出し分けが考えられます。SNSで生まれた興味を、その世代が使い慣れた接点で受け止めることで、購入までの流れが滑らかになります。

レビュー・口コミを軸にしたWeb接客 決め手が口コミ・レビュー(38.7%)である以上、サイト内でその声をどう見せるかが重要です。閲覧中の商品に合わせて高評価レビューやランキングをポップアップで提示する、世代に応じて見せる口コミの種類を変える(Z世代にはインフルエンサーや話題性、ミレニアル世代には一般ユーザーの具体的なレビュー)、といったWeb接客で、迷いを購入へと後押しできます。

化粧水など消耗品のリピート化 化粧水のような使い切る商品は、購入からの経過や使用ペースをふまえて、なくなる頃に再購入を案内できます。「世代×特定カテゴリを直近◯か月に購入」といったセグメントを組み、平均使用サイクルに合わせてリマインドを送る——手軽さで選ばれるコスメECだからこそ、買い直しのタイミングを逃さない仕組みが、LTVの向上に直結します。あわせて、関連するスキンケアやベースメイクをレコメンドすれば、化粧水を入り口にした買い足しやライン使いも促せます。

これらの施策は、単独よりも組み合わせることで効果が高まります。SNSで生まれた興味を世代に合ったチャネルで受け止め、サイト内では信頼される声で背中を押し、購入後はなくなる頃に再提案する——この一連の流れを一人ひとりの行動に合わせて設計することで、発見から購入、そしてリピートまでが途切れずにつながります。

世代別のセグメント配信を、無理なく回すには?

ポイント:会員の属性・行動・レビューへの反応・配信を同じ基盤で扱えると、世代セグメントとチャネル出し分け、消耗品のリピート提案までを一つの運用でまとめて回せます。

ここまでの施策は、世代や購入履歴でのセグメント抽出、チャネルごとの配信、サイト内でのレビュー提示、再購入のタイミング管理がつながって初めて機能します。これらが別々のツールに分かれていると、世代ごとの出し分けを設計するたびに手作業が増え、運用が続きません。

シナブルが提供する「EC Intelligence(ECI)」は、サイト内検索・レコメンド・MA・Web接客・CDPを一つに統合したEC・通販特化のプラットフォームです。「世代×直近3か月の購入×特定カテゴリの閲覧」といった複雑な条件を、事前のデータ集計やSQLなしに管理画面から指定し、そのままメール・LINE・アプリのプッシュ通知・サイト内ポップアップへ出し分けられます。接客・検索・レコメンド・配信が同一基盤のため、「ポップアップで反応した人にだけ翌日フォロー配信」といった連携も、追加のデータ連携なしで組めます。閲覧商品に合わせたレビューやレコメンドの提示、化粧水など消耗品の購入サイクルに合わせた再購入促進の自動化まで、世代で分かれるコスメECの購買行動に合わせた運用を、現場主導で組み立てられます。

SNSで生まれた興味を取りこぼさず、世代ごとに最適な接点で届けていきたいとお考えのコスメEC事業者にとって、こうした統合基盤は有力な選択肢になります。

まとめ

コスメECでは、SNSの影響がZ世代で約86%、ミレニアル世代で約79%と高い一方、影響するSNSも信頼する声も世代で分かれます。Z世代はTikTok(52.7%)やインフルエンサー(61.7%)、ミレニアル世代はInstagram(73.8%)や一般ユーザーの口コミ(65.8%)を重視し、買われる商品も化粧水という共通の定番に加えて、美容液やファンデーションでミレニアル世代の関心が広がります。購入の決め手は口コミ・レビュー評価(38.7%)であり、世代に合わせたチャネルの出し分け、レビューを軸にしたWeb接客、消耗品のリピート化を組み合わせることが有効です。これらを継続的に回すには、属性・行動・配信を同じ基盤で扱える環境が支えになります。

よくある質問(FAQ)

Q. Z世代とミレニアル世代で、コスメの買い方はどう違いますか?

A. 影響するSNSはZ世代でTikTok(52.7%)が強く、参考にする声もZ世代はインフルエンサー・有名人(61.7%)、ミレニアル世代は一般ユーザーの口コミ(65.8%)と分かれます。購入品も、Z世代はリップやアイシャドウ、ミレニアル世代は美容液・ファンデーションが上位で、化粧水は両世代共通の定番です。

Q. コスメECで最も重視される購入の決め手は何ですか?

A. 「口コミ・レビュー評価」(38.7%)で、価格(30.9%)を上回ります。実物を試せないぶん、先に使った人の評価が最後のひと押しになります。

Q. コスメECの世代別施策は、まず何から始めるべきですか?

A. まずは世代というセグメントでチャネルとクリエイティブを出し分けることから始めるのがおすすめです。Z世代にはアプリやLINE、ミレニアル世代にはメールやサイト内提案、というように、使い慣れた接点に合わせるだけでも反応の違いを確認しやすくなります。

Q. 口コミ・レビューは、どのように見せると効果的ですか?

A. 閲覧中の商品に合わせて高評価のレビューやランキングをサイト内で提示すると、購入の後押しになります。Z世代にはインフルエンサーや話題性、ミレニアル世代には一般ユーザーの具体的なレビューと、世代が信頼する声の種類に合わせて見せ方を変えると、より効果的です。

Q. 化粧水のような消耗品のリピートは、どう促せばよいですか?

A. 購入からの経過や使用ペース(平均使用サイクル)をふまえ、なくなる頃に再購入を案内すると効果的です。買い直しのタイミングを逃さないだけで、手軽さで選ばれるコスメECのLTV向上につながります。

Q. SNSと自社ECは、どうつなげればよいですか?

A. SNSで生まれた興味を、その世代が使い慣れた自社の接点で受け止める設計が基本です。SNSで見かけた商品を、サイト内のレビュー提示やレコメンド、再訪時のポップアップで後押しすることで、発見から購入までの流れを滑らかにつなげられます。

【調査概要】

調査名:コスメ購買意欲の実態調査/調査主体:株式会社シナブル/調査時期:2025年3月7〜10日/調査対象:月1回以上ECサイトでコスメを購入するZ世代・ミレニアル世代の女性/有効回答数:1,024名。

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記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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