コラム

CPM分析とは?RFM分析との違いや進め方、10の顧客セグメントをわかりやすく解説

CPM分析とは?RFM分析との違いや進め方、10の顧客セグメントをわかりやすく解説
目次

「新規顧客の獲得コストは上がる一方なのに、リピーターがなかなか育たない」。ECサイトを運営していると、こうした悩みを抱える担当者は少なくありません。

CPM分析とは、顧客を購入回数や購入金額などの指標で分類し、育成段階に応じた施策を行うための分析手法です。

経済産業省の調査では、BtoC物販ECの市場規模は15兆2,194億円、EC化率は9.78%まで拡大しています(2025年公表)。市場が伸びる一方で新規獲得コストは上がり続けており、「既存顧客をどう育てるか」の巧拙が利益を左右する局面に入っています。CPM分析がいま改めて注目されるのは、このためです。

本記事では、CPM分析の意味やRFM分析との違い、具体的な進め方から10の顧客セグメント、実践のポイントまでを解説します。自社の顧客データをどう活用すればよいか、具体的なイメージを持ち帰っていただければ幸いです。

CPM分析とは


CPM分析とは、「Customer Portfolio Management(カスタマー・ポートフォリオ・マネジメント)」の略称で、顧客ポートフォリオ管理を意味する分析手法です。

なお、CPMという略称は広告分野の「Cost Per Mille(表示回数単価)」など、他分野でも使われています。本記事で扱うCPMは、顧客分析におけるCustomer Portfolio Managementのことを指しますので、混同しないようご注意ください。

また、CPM分析には一般的な顧客ポートフォリオ分析と、通販業界で広く知られる「やずや式CPM分析」があります。

一般的なCPM分析は顧客を購買状況に応じて分類し、それぞれに適した施策を検討する分析手法です。一方で、やずや式CPM分析は購入回数・購入金額・最終購入日などの購買データをもとに、顧客を育成段階ごとのグループに分類し、「どの顧客にどんな施策を打つべきか」をより実践的に判断するフレームワークです。

本記事では、ECサイトの顧客育成に活用されるやずや式CPM分析を中心に解説します。

CPM分析とRFM分析の違い


さらにCPM分析を理解するうえで欠かせないのが、RFM分析との違いです。両者は似ているようで、得意とする領域が異なります。

RFM分析は3つの指標で顧客をスコアリングする手法

RFM分析とは、最終購入日、購入頻度、購入金額の3指標で顧客をスコアリングする手法です。スコアの高い顧客ほど、次回購入する可能性が高いと判断されます。

短期的に売上を伸ばしたい場面では、RFM分析が力を発揮するでしょう。ただし、一度離脱した顧客は低スコアと判定されやすく、中長期的な育成の視点には不向きな面もあります。

CPM分析とRFM分析、それぞれの強み

CPM分析とRFM分析は、互いの弱点を補い合う関係にあります。RFM分析は現在の購買状況を把握するのに適しており、CPM分析は顧客育成の視点を取り入れやすい分析として利用されることが多いです。


  

分析手法

主な考え方

主な活用方法

CPM分析

顧客を育成段階ごとのセグメントに分類する

中長期的な顧客育成

RFM分析

最終購入日・購入頻度・購入金額をスコア化する

優先顧客の抽出・短期施策


CPM分析の進め方【4ステップ】


CPM分析は、次の4つのステップで進めます。それぞれの段階でやるべきことを押さえておくと、スムーズに取り組めるはずです。

  1. 顧客データを収集する

  2. しきい値を設定し5グループに分類する

  3. 現役客・離脱客に分けて10グループにする

  4. 施策を実行し推移をモニタリングする

それぞれ解説します。

1.顧客データを収集する

最初に、分析対象期間の顧客データを抽出します。購入日・購入金額・購入点数・最終購入日からの経過日数など、必要な項目をあらかじめ整理しておきましょう。

データが不足していると、その後の分類の精度が落ちてしまいます。会員登録情報や購買履歴を、できるだけ幅広く集めておくことが大切です。

2.しきい値を設定し5グループに分類する

次に、購入回数・購入金額・経過日数の基準(しきい値)を決め、顧客を「新規客」「育成客」「継続客」「流行客」「優良客」などの5グループに分けます。

しきい値は、商品単価や購入サイクルによって変わってきます。高額商品を扱う場合と、低単価で購入頻度が高い商品を扱う場合とでは、優良顧客と判定する基準も異なるため、自社の商材に合わせた調整が必要です。

3.現役客・離脱客に分けて10グループにする

5つのグループを、さらに「現役客」と「離脱客」に分けると、合計10のグループが完成します。現役客は購入を続けている顧客、離脱客はすでに購入が止まっている顧客のことです。

グループごとの人数や割合を見れば、自社の顧客基盤がどのような状態にあるのかを把握できます。

10の顧客セグメントの例

 

セグメント

特徴

初回現役客

一定期間内に初回購入した顧客

育成現役客

一定期間内に2回以上購入した顧客

継続現役客

安定的にリピート購入している顧客

流行現役客

キャンペーンや流行をきっかけに購入した顧客

優良現役客

長期間・高額購入を続ける顧客

初回離脱客

初回購入後に離脱した顧客

育成離脱客

数回購入後に離脱した顧客

継続離脱客

安定購入後に離脱した顧客

流行離脱客

キャンペーンや流行をきっかけの購入後に離脱した顧客

優良離脱客

長期・高額購入後に離脱した顧客

現役客の層が厚くなっているほど、経営は安定に向かっていると判断できます。

4.施策を実行し推移をモニタリングする

最後に、グループごとに適した施策を実行し、効果を確認していきます。1回の分析で終わらせず、継続的にモニタリングすることが重要です。

離脱客が増えている、優良離脱客が目立つといった変化に早く気づければ、対策を打つタイミングを逃さずに済むでしょう。

CPM分析結果を顧客育成に活かす施策例


CPM分析で顧客を分類したら、グループごとに適した施策を実行する段階に入ります。代表的な施策例を4つご紹介します。

初回離脱客への対応

初回購入後に離脱した顧客には、フォローアップの連絡を増やすことが効果的です。購入後のアンケートや、次回購入時に使える割引クーポンを届けると、再購入のきっかけになりやすいでしょう。

継続現役客へのクロスセル・アップセル

継続的に購入しているものの購入金額が伸び悩んでいる顧客には、関連商品の提案(クロスセル)や上位商品への案内(アップセル)が有効です。購入履歴をもとに提案すれば、押し売り感を抑えられます。

優良現役客の維持

すでに優良顧客となっている層には、特別感の演出が欠かせません。限定イベントへの招待や、パーソナライズされた特典を用意することで、離脱を防ぎながら関係を深められます。

離脱客への再アプローチ

離脱した顧客に対しても、諦めずにアプローチする価値は十分にあります。新商品の先行案内や久しぶりの利用を歓迎するメッセージを送ることで、再購入につながるケースも珍しくありません。

CPM分析を実践するうえでのポイント


CPM分析は、理論を理解するだけでは効果を発揮しません。実践する際に押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

顧客データを一元管理する仕組みが不可欠

CPM分析には、購入回数・購入金額・経過日数といったデータを、正確かつ継続的に把握する仕組みが欠かせません。Excelでの管理も不可能ではありませんが、データ量が増えるほど更新や集計に手間がかかり、分析が形骸化しやすくなります。

実際、シナブルの事業者調査(2026年)では、業務時間の4割以上をデータの前処理に費やす担当者が68.8%、施策そのものを諦めた経験がある事業者は81.6%にのぼりました。CPM分析が「続かない」最大の原因は理論の難しさではなく、分類のためのデータ整備・集計の負荷にあります。だからこそ、顧客データを自動で最新化できる基盤が前提になるのです。

CRMやCDPで顧客データを一元管理していれば、必要なタイミングでいつでも正確なセグメントを抽出できます。分析の精度と継続性を両立させるうえで、データ基盤の整備は避けて通れない工程といえるでしょう。

短期(RFM)と中長期(CPM)を組み合わせて運用

CPM分析だけに頼るのではなく、RFM分析と組み合わせて運用すると効果が高まります。

短期的な売上確保と中長期的な顧客育成、両方の視点を持つことで、持続的な売上基盤を築きやすくなるはずです。

EC Intelligenceで実現するCPM分析


EC Intelligenceは、顧客データの統合から施策実行、効果検証までをワンストップで支援するCDP・MA統合基盤です。

CPM分析に必要な顧客分類は、新規顧客・優良顧客・離脱顧客・優良顧客候補・要フォロー優良顧客といったグループへ自動で振り分けられ、各グループの月次推移をダッシュボード上で確認できます。

しきい値やグループの定義は、自社の商材やビジネスモデルに合わせて柔軟にカスタマイズすることも可能です。

分析結果は、メール・LINE・Web接客といった複数のチャネルへ、連携の手間なくシナリオとして展開できます。顧客ポートフォリオの可視化から育成施策の実行までを一気通貫で行いたいという企業様に支持いただいています。

CPM分析に関するよくある質問

CPM分析は、購入回数・購入金額・経過日数の3軸で顧客を分類し、優良顧客の育成を目指す分析手法です。

Q. RFM分析とCPM分析の違いは何ですか?

A.RFM分析は、Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)をスコア化し、現在の顧客価値を評価する分析手法です。一方、CPM分析は顧客を育成段階ごとのセグメントに分類し、それぞれに適した施策を検討しやすい点が特徴です。

Q. CPM分析を実践するには何が必要ですか?

A.購入回数や購入金額などのデータを、正確に把握し続ける仕組みが必要です。CRMやCDPでの一元管理があれば、分析の精度と継続性を保ちやすくなります。

Q. CPM分析はどのように進めればよいですか?

A.顧客データの収集、しきい値の設定と5グループへの分類、現役客・離脱客での10グループ化、施策実行とモニタリングという4つのステップで進めます。

Q. CPM分析に特別なツールは必要ですか?

A. Excelでも始められますが、データ量が増えると更新・集計の手間で分析が形骸化しがちです。CDPとMAを統合した基盤(例:EC Intelligence)を使えば、顧客データの最新化から分類・施策実行までを一気通貫で回せます。

まとめ

CPM分析は、購入回数・購入金額・経過日数の3軸で顧客を分類し、優良顧客の育成を目指す分析手法です。

  • CPM分析はCustomer Portfolio Managementの略で、中長期的な顧客育成に強みがある

  • RFM分析とは得意分野が異なり、組み合わせて運用するのが望ましい

  • 10グループへの分類後は、継続的なモニタリングと施策実行が欠かせない

  • 実践には、顧客データを一元管理できる基盤が重要になる


CPM分析の価値は「顧客を分類すること」ではなく、分類した一人ひとりに最適な施策を"届けきる"ことにあります。データ整備から分析、施策実行までを一気通貫で行いたいEC事業者様は、EC Intelligenceの導入もご検討ください。





機能に関するご質問やご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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