コラム

なぜEC決済で顧客が離脱するのか?原因と改善策を徹底解説

なぜEC決済で顧客が離脱するのか?原因と改善策を徹底解説
目次

ECサイトの決済の場面でお客様が離脱してしまう状況に悩んでいませんか。

購入意欲が高いにもかかわらず、カートに商品を入れたユーザーの半数以上が決済の手前で購入をやめてしまうという状況は数多く存在します。

本記事では、EC決済で離脱が起きる原因を整理したうえで、今日から着手できる改善策と、離脱してしまった後のリカバリー施策までを解説します。決済まわりの機会損失にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。


なぜ「決済」でこれほど離脱が起きるのか


EC決済の場面は、購入体験の中でも特に離脱が起きやすい工程です。Baymard Instituteの継続調査によると、商品をカートに追加したユーザーのうち、平均約70%が購入完了まで至らず離脱しています。

スマートフォン経由の購入ではこの数値がさらに高くなる傾向があり、入力負荷の大きさや決済導線の煩雑さが影響していると考えられています。広告費をかけて集客していても、決済段階で取りこぼし、投資効果が半減しているのです。

ECの決済フローで離脱が起きる主な原因


決済フローの離脱原因は、主に以下の7つに整理できます。

  1. 入力フォームの複雑さ

  2. 送料・手数料が最後に判明

  3. 決済手段が希望と合わない

  4. カード情報入力への不安・セキュリティへの懸念

  5. 会員登録の強制などの不信感

  6. サイト速度やエラーによる手間

  7. とりあえずのカート利用

それぞれ解説します。

入力フォームの複雑さ

入力項目が多いフォームは、途中離脱の大きな原因です。小さな画面で住所や氏名を一つずつ入力する負担は、想像以上にお客様の集中力を削いでしまいます

送料・手数料が最後に判明

決済画面で送料や手数料が想定金額を超えると、離脱につながりやすくなります。商品代金しか見ていなかった購入直前のユーザーが送料や手数料の上乗せで予想していた金額を上回り、意思決定を後ろ倒しにするケースは少なくありません。

決済手段が希望と合わない

普段使っている決済方法が選べないと、そのまま離脱してしまう傾向があります。ID決済や後払いなど「使いたい支払い方法がない」という違和感は、購入直前の大きな機会損失につながります。

カード情報入力への不安・セキュリティへの懸念

運営情報や返品条件が確認できないと、購入をためらう原因になります。運営会社情報や返品・交換のポリシーが見当たらず、不安から悩んだ経験はありませんか。初めて利用するサイトほど、この不安は強く表れる傾向があります。

会員登録の強制などの不信感

購入のためにアカウント作成を求められると、心理的な壁になります。「まず買いたいだけなのに」という感覚は、特に初回利用者にとって大きなハードルでしょう。

サイト速度やエラーによる手間

決済直前の画面遷移が遅い、エラーで戻されるといった状況も離脱を招きます。せっかく購入を決めたお客様を、システム側の不具合で逃してしまう典型的なパターンです。 

とりあえずのカート利用

他サイトとの比較中に、お気に入り代わりとしてカートを利用する行動も、カゴ落ちの原因の一つとして挙げられています。この場合は決済フロー自体に問題がなくても、比較検討が終わるまで購入に至らないことがあります。

ECの決済ページ内でできる改善策


決済ページの改善策は、主に以下の8つに整理できます。EC決済での離脱が多い場合は、下記の項目をひとつずつ確認しましょう。


  1. 入力項目を減らす

  2. 配送料・手数料を早めに表示する

  3. 決済手段を増やす

  4. セキュリティ対策を分かりやすく伝える

  5. ゲスト購入を可能にする

  6. エラー表示を分かりやすくする

  7. ページ表示速度を改善する

  8. スマートフォン向けに最適化する

1. 入力項目を減らす

入力フォームの項目数は、少ないほど完了率が高まります。姓名を1つの「フルネーム」欄にまとめるなど、必要な情報を保ったまま項目数だけを減らす工夫が有効です。

2. 配送料・手数料を早めに表示する

決済の最終画面で金額が変わると離脱の引き金になるため、商品ページやカート画面の時点で、送料や手数料を含めた総額を確認できるようにしておくことが基本です。「思っていた金額と違う」という違和感をなくすだけで、購入直前の離脱を防ぎやすくなります。

3. 決済手段を増やす

クレジットカードに加え、PayPay、Apple Pay、楽天ペイなど選択肢を広げることで、決済手段の不一致による離脱を減らせます。自社で個別導入が難しい場合は、決済代行サービスを使って一括で選択肢を増やす方法もあります。

4. セキュリティ対策を分かりやすく伝える

カード情報の入力に不安を感じるお客様は、決して少なくありません。経済産業省では、2025年3月末までを目標にEMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)の導入を原則義務化しています。導入していることをアイコンや文言で明示するだけでも、安心感を与えられるでしょう。

5. ゲスト購入を可能にする

初回利用者の感覚に配慮し、会員登録なしで購入できる導線を用意することが有効です。会員登録は、購入完了後にあらためて案内する流れにすると、登録率と購入率を両立しやすくなります。

6. エラー表示を分かりやすくする

エラー内容を具体的に表示することで入力完了率が改善した事例も報告されています。「エラーが発生しました」で終わらせず、どの項目のどこが誤っているかを明示することが重要です。

7. ページ表示速度を改善する

表示の遅さやガタつきは、購入意欲がある顧客ほど強いストレスとして感じられます。Core Web Vitalsなどを参考に、画像の軽量化や不要なJavaScriptの削減などを行い、表示速度を継続的に改善してください。

8. スマートフォン向けに最適化する

スマートフォンでの決済は、PCよりも入力の負荷が大きくなります。小さな画面での入力しやすさを意識するだけで、モバイル経由の離脱を大きく減らせるでしょう。

決済ページ内の改善だけでは限界がある理由


決済ページ内をどれだけ改善しても、離脱を完全にゼロにすることはできません。体調や予算の都合、他サイトとの比較検討など、サイト側の改善では防げない離脱理由も一定数存在するためです。

ここで発想を変える必要があります。

離脱を「防ぐ」ことだけでなく、離脱してしまった後に「呼び戻す」という視点を持つことで、取りこぼしていた売上を回収できるようになります。

離脱後のリカバリーで機会損失を売上に変える


離脱してしまったお客様への再アプローチは、決済ページの改善と同じくらい重要な施策です。


カートに商品を残したまま離脱したユーザーへ一定時間経過後にリマインドを送る「カゴ落ちメール・LINE通知」は、関連商品のレコメンドや在庫状況などの補足情報を添えることで、比較検討中のユーザーの背中を押す効果が見込めます。


また、サイトに再訪したユーザーに対して、カートに商品が残っている旨をポップアップで知らせるWeb接客による方法もあります。

EC Intelligenceでリカバリーできること


私たちEC Intelligenceは、メール・LINE・Web接客・検索・レコメンドをひとつの基盤に統合し、離脱後のリカバリーも一気通貫でサポートが可能です。

機能について

カートに残っている商品のほか、関連するレコメンド商品も自動でメールに差し込んで希望のチャネルで配信ができます。また、サイトへの再訪時には、カートに商品が残っている旨をポップアップで知らせるWeb接客も標準機能として備えています。


料金体系には月間PV課金を採用しており、サイト内の複数箇所でのレコメンドや接客を上限を気にせず実装できます。

導入成果

データを活用したリカバリー施策は、実際の数値としても成果につながっています。


 

業種

成果

レディースアパレル

カゴ落ちメールへのレコメンド差し込みにより、メールからのCVRが2倍、売上が1.3倍に増加

ワインショップ

カゴ落ちメールのパーソナライズにより、クリック率が10%から23%へ改善し、平均購入単価が1.16倍に増加

通販専業アパレル

トリガーメール施策の自動化により、CVRが1.25倍に向上し、メールからの売上が27%増加

複数のツールに分けて運用するよりも、ひとつの基盤にまとめるほうが、運用負荷とコストの両面で合理的です。

ECの決済フローに関するよくある質問

最後に、ECの決済フローについてよく聞かれる質問についてお答えします。


Q. 決済フローの離脱率は、一般的にはどのくらいですか?

A.Baymard Instituteの継続調査では平均約70%前後であることが明らかになっています。


Q. 決済まわりの離脱対策として、最初に取り組むべきことは何ですか?

A.決済画面で表示される合計金額の透明化と、決済手段の選択肢の拡充から着手すると、改善インパクトを得やすい傾向があります。


Q. カゴ落ちメールはどのタイミングで送るのが効果的ですか?

A.多くのECサイトでは、離脱後1時間以内を目安に最初のリマインドを送り、その後ユーザーの反応に応じて追加配信するケースが多く見られます。

まとめ

本記事では、ECサイトの決済に関する離脱要因や改善策を解説しました。ポイントは以下の通りです。


  • EC決済は購入体験の最終工程であり、離脱が起きやすいポイントである

  • 離脱は入力負荷や追加費用、決済手段の不足、セキュリティへの不安など複数の要因が重なって発生する

  • 決済ページ内の改善だけでは離脱をゼロにできないため、離脱後のリカバリーが欠かせない

  • カゴ落ちメールへのレコメンド差し込みなど、データを活用したリカバリーは実際の成果につながっている


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記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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