活用・施策事例

ECサイトの在庫表示はどう見せる?在庫切れ・残りわずか・お届け目安の考え方

ECサイトの在庫表示はどう見せる?在庫切れ・残りわずか・お届け目安の考え方

ECサイトを運営していると、商品の在庫切れは避けられませんが、そのページの扱いに悩むことはありませんか。
この記事を読めば、在庫の状況に応じて何をどこに表示すればいいかを判断し、離脱を防ぐ導線を自社サイトに実装できる状態になります。

在庫表示は「売り切れをどう伝えるか」だけの話ではありません。在庫が少ないこと、いつ届くことを伝えるのも在庫表示です。この3つは、役割も置き場所も違います。

この記事でわかること
✓ 在庫切れ商品を一覧に出すべきか、隠すべきか
✓ 「残りわずか」表示を入れたA/Bテストの結果
✓ お届け目安をどこに書くか
✓ 再入荷通知で、売り切れを顧客との接点に変える方法

在庫表示には、どんな役割がある?


役割は3つです。買えない商品で落胆させないこと、在庫の少なさを判断材料として伝えること、そしていつ届くかの不安をなくすことです。

EC Intelligenceを提供する株式会社シナブルでは、ECサイトのCVRの伸びしろを6つの観点で整理しています。この整理は、導入実績120サイト以上の支援のなかでまとめたものです。
在庫表示は、このうち2つの観点にまたがります。「せっかく見ても買えない」は発見性・マッチングの問題、「本当に、いつ届くのか分からない」は信頼性・技術基盤の問題です。

多くのサイトでは、在庫表示が「売り切れの告知」だけで止まっています。残り2つは、買う判断を後押しする情報であるにもかかわらず、手が付いていないことが少なくありません。

在庫切れ商品は一覧に表示すべき?


再入荷の予定がある商品は表示し、取り扱いを終える商品は一覧から外します。
判断の軸は、その商品に再び在庫が入るかどうかです。

再入荷の予定がある場合、ページを維持することで、これまで蓄積した検索エンジンからの評価を保ち、ユーザーのブックマークやSNSからのリンクも有効なまま活用できます。その上で、再入荷通知の登録導線を設置します。
完全に販売終了または廃盤になった場合は、ページを削除するのではなく、301リダイレクトを設定して代替ページへ転送します。転送先は、後継商品のページや、同じカテゴリの商品一覧ページが適切です。
再入荷の目処が立たないものの、将来的に販売を再開する可能性がある場合は、noindexタグを設定し、検索結果には表示せずページ自体は残すという選択肢もあります。

なお、在庫切れ商品を一覧に残す場合でも、並び順は調整できます。 在庫切れ商品を後方に送る、あるいは特定の条件で非表示にすることで、買える商品が先に目に入る状態を作れます。

一覧で在庫状況を示すとどう変わる?

ユーザーが、クリックする前に在庫の有無を判断できるようになります。
「SOLD OUT」や「在庫なし」といったラベルを商品画像に重ねて表示することで、無駄なページ遷移を減らせます。

これが効くのは、「せっかく見ても買えない」という体験が繰り返されると、サイト全体への信頼が下がるためです。 1回なら諦めるだけでも、3回続けば「このサイトは欲しいものが買えない」という印象が定着します。
商品一覧ページの改善については「商品一覧ページの直帰率改善」で詳しく紹介しています。

「残りわずか」表示には効果がある?

あります。 あるECサイトでは、商品詳細ページで在庫数が一定の閾値を下回った際にアラートポップアップを表示したところ、CV率がA(アラートなし)3.33%からB(アラートあり)4.43%に改善しました。

この施策が効いたのは、在庫の少なさが「買う判断の材料」になったからです。買うかどうか迷っている状態で、あと少しで買えなくなると分かれば、判断を先送りする理由がなくなります。
注意したいのは、この表示は実在庫と一致している必要があるということです。 在庫が十分にあるのに「残りわずか」と表示すると、繰り返されれば表示そのものが信用されなくなります。

EC Intelligenceでは、在庫数が一定の条件を下回った際にポップアップを表示する設定ができます。 全接客コンテンツのA/Bテストと効果の自動計測に対応しているため、表示あり・なしのどちらが成果につながったかをそのまま比較できます。

どのページで出すのが効果的?

商品詳細ページです。
一覧ページでも在庫僅少は表示できますが、一覧の段階ではまだ商品を比較している途中で、買うかどうかの判断には至っていません。
商品詳細ページは、その商品を買うかどうかを決める場所です。在庫の少なさが判断材料として働くのは、この段階です。

煽りすぎにならない書き方は?

実際の在庫状況をそのまま伝えることです。
「今すぐ買わないと損をします」といった表現は不要です。在庫が少ないという事実が伝われば、判断は読み手がします。
表示を出す基準となる在庫数は、商材ごとに決めます。回転の速い商材と、年に数回しか動かない商材では、「残りわずか」と言える数が変わるためです。

お届け目安はどこに書くべき?

商品詳細ページとカートページの両方です。
「いつ届くのか分からない」という不安は、商品を選んでいる段階と、購入を確定する直前の2回発生します。

商品詳細ページでは、在庫状況とあわせてお届け目安日を表示します。在庫があるかどうかだけでなく、それがいつ手元に届くかまで分かると、カートに入れる判断がしやすくなります。
カートページでは、改めて配送目安と在庫状況を示します。カートに入れてから購入までに時間が空いた場合、「本当に届くのか」という不安が戻ってくるためです。

確認する方法は、配送目安の表示がある場合とない場合で、カート投入率と「レジに進む」ボタンのクリック率を比べることです。 表示を足しただけで数値が動くなら、不安が離脱の原因になっていたことになります。

再入荷通知は必要?


必要です。売り切れは、顧客との接点を作れる数少ない瞬間だからです。
在庫がない商品を見たユーザーは、その時点では買えません。しかし「入荷したら教えてほしい」と思っている可能性が高い状態です。ここで連絡先を取得できれば、在庫が戻ったときに、購入意欲の高い相手だけに案内できます。

値引きがなくても「購入していい」と思える提案として、「再入荷通知」を挙げた人は16.4%でした(シナブル調べ, n=1,010, 2025年8月実施)。割引をしなくても、タイミングを合わせた通知であれば購入の理由になるということです。

どんな商材で効果が出やすい?

サイズや色のバリエーションがある商材です。
アパレルのように、商品自体は在庫があってもサイズだけ切れている、という状況が頻繁に起きる商材では、再入荷通知が機能しやすくなります。欲しい商品が決まっていて、買えない理由が在庫だけだからです。

一方、代替が効く商材では、再入荷を待つより類似商品に切り替えられることが多くなります。この場合は通知より、代替商品の提案のほうが有効です。

通知はどのチャネルで送る?

顧客が日常的に見ているチャネルを選びます。
メール、LINE、SMS、アプリプッシュなど、通知を届ける手段は複数あります。どれが届きやすいかは顧客層によって変わるため、メール一択にする必要はありません。

EC Intelligenceでは、お気に入りに登録した商品が「値下げ」「再入荷」「在庫僅少」になった際に、自動で通知を送れます。メール・LINE・SMS・アプリプッシュ・ブラウザ通知・オンデマンドDMの6チャネルを一元管理し、1つのシナリオでクロスチャネル配信が可能です。
また、カート・お気に入り・閲覧履歴にある商品が値下げまたは再入荷した際にメールを送る施策も設定できます。

売り切れを見た人に、次に何を見せる?


類似商品や関連商品です。
在庫切れの商品ページにたどり着いたユーザーは、その商品を買う気で来ています。何も提案しなければ、そのまま離脱します。

サイト内検索の結果が0件だったときに欲しい機能として、「類似商品の提案」を挙げた人は38.5%で最多でした(シナブル調べ, n=1,030, 2025年12月)。これは検索の文脈での回答ですが、「目的のものが見つからなかった」という状況は、在庫切れページでも同じです。

ユーザーの閲覧履歴や購買履歴に基づいてパーソナライズされた提案ができれば、より効果が高まります。 EC Intelligenceのレコメンドは、テキストマイニングと協調フィルタリングのハイブリッドで動作するため、その人が実際に見ていた商品に近いものを提示できます。

自社サイトの在庫表示はどこを確認する?


確認する箇所は3つです。
ステップ1は、在庫切れ商品のクリック率と、その直後の離脱率を見ることです。一覧から在庫切れ商品を開いた人がそのまま離れているなら、代替の受け皿がありません。
ステップ2は、再入荷通知の導線があるかを確認することです。在庫切れページに登録ボタンがなければ、接点を作る機会を逃しています。
ステップ3は、配送目安や在庫状況の表示有無で、カート投入率と「レジに進む」のクリック率を比べることです。

この3つは、それぞれ違う役割に対応しています。1つめは買えない商品での落胆、2つめは接点の確保、3つめは届くことへの不安です。 どこが抜けているかによって、打ち手が変わります。

在庫表示でよくある疑問は?

ECサイトの在庫表示について、運営者が抱きやすい疑問とその回答をまとめました。

在庫切れになった商品ページは削除すべきですか?

原則として削除は避けるべきです。
削除すると、そのページが獲得した検索エンジンからの評価や、ユーザーによるブックマークからのアクセスが失われます。
販売終了の場合は代替商品へ301リダイレクトし、一時的な欠品であればページを維持して再入荷通知を設置するのが基本対応です。

在庫切れページをそのまま表示し続けて問題はありませんか?

内容の乏しい在庫切れページを大量に放置した場合、検索エンジンからページの価値が低いと判断される可能性があります。
代替商品の提案や関連情報を掲載し、ユーザーにとって有益な情報を提供することで、ページの価値を維持できます。
ユーザー側から見ても、何も提案がないページは離脱されるだけなので、対応は共通です。

「残りわずか」と表示する在庫数の基準はどう決めますか?

商材の回転の速さをもとに決めます。
数が決まった正解はありません。1日に何十個も動く商材と、月に数個の商材では、「残りわずか」と言える数が変わるためです。
在庫が実際に少ない状態と表示が一致していることが前提になります。

再入荷通知で集めた連絡先は、他に使えますか?

その商品に高い関心を持つ顧客のリスト(セグメント)として活用できます。
再入荷の案内だけでなく、関連商品の案内や限定セールの告知など、反応が見込める顧客層へのアプローチに使えます。
ただし、取得時に説明した利用目的の範囲内で使うことが前提です。

この記事の要点は?

在庫表示は、売り切れの告知だけではありません。買えない商品で落胆させないこと、在庫の少なさを判断材料として伝えること、いつ届くかの不安をなくすこと。この3つが在庫表示の役割です。

在庫切れ商品は、再入荷の予定があれば一覧に残し、取り扱いを終えるなら外します。残す場合は、再入荷通知の導線と代替商品の提案をあわせて置きます。
在庫が少ないときは、商品詳細ページでその事実を伝えます。実在庫と一致していることが条件です。
そして、お届け目安は商品詳細とカートの両方に置きます。不安は2回発生するためです。

自社サイトの在庫表示は今どの状態?

在庫表示が機能しているかどうかは、在庫切れ商品を開いた後の離脱率と、配送目安の表示有無によるカート投入率の差を見れば確認できます。ただし、自社だけで見ていると、どこから手を付けるべきかの判断が難しい場合もあります。

EC Intelligenceを提供する株式会社シナブルでは、ECサイトのCVRの伸びしろを無料で診断しています。在庫表示を含む発見性・マッチングと信頼性の観点から、現在地を確認できます。



機能に関するご質問やご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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