シナブルが2025年12月に実施したECサイト利用者1,030人への独自調査では、目当ての商品が見つからない場合に約半数(47.9%)が他のECサイトへ流出すると回答しており、サイトに訪れたユーザーをいかに「自分ごと」として接客できるかが、CVRとLTVを左右する重要なテーマとなっています。
本記事では、パーソナライズ接客の定義から重要性、AI型と従来型の違い、代表的な7つの施策、年商規模別の導入ロードマップ、注意点、そしてEC Intelligenceでの実装事例までを体系的に解説します。
ECサイトのパーソナライズ接客とは?
ポイント:パーソナライズ接客は、顧客の属性・行動データをもとに接客体験を一人ひとり最適化する手法であり、AIの普及により中堅EC事業者でも実装可能な領域へと広がっています。
パーソナライズ接客とは、顧客の属性・購買履歴・閲覧履歴・行動データなどを活用し、一人ひとりに合わせた情報や提案をサイト上やコミュニケーションチャネルで届けるマーケティング手法です。Amazonの「あなたへのおすすめ」やNetflixの視聴履歴に基づく作品提案が、その代表例として広く知られています。
実店舗における優秀な販売員の接客をオンラインで再現するイメージに近く、目的は「マスマーケティングの非効率を減らし、個人の嗜好に合った接客に近づけることで、購買までの体験品質と獲得効率を高めること」にあります。
パーソナライズとカスタマイズの違い
似た言葉に「カスタマイズ」がありますが、両者の違いは「誰が設定するか」にあります。カスタマイズはユーザー自身が好みに応じて設定を変更する行為を指します。一方、パーソナライズは提供側であるECサイトがデータをもとに自動で最適化を行うため、ユーザーが特別な操作をしなくても「自分向けの体験」が提供される点が本質です。
セグメントマーケティングとの粒度の違い
「20代女性」「リピーター」のように属性や行動でグループ分けして施策を打つ手法はセグメントマーケティングと呼ばれます。これは「グループへの最適化」であり、パーソナライズ接客の「個人への最適化」とはアプローチの粒度が異なります。同じ20代女性でも、好みのジャンルや購買頻度、直近の閲覧履歴は一人ひとり違うため、その差を埋めるのがパーソナライズ接客の役割です。
従来型ルールベースとAI型パーソナライズの違い
従来型は担当者が手動で設定したルールに沿って表示内容を切り替える方式で、ルール数が増えるほど運用負荷が膨らみました。AI型は購買・閲覧・行動データをリアルタイムに学習し、ユーザーの「今この瞬間の関心」を捉えて最適なコンテンツを差し込みます。両者の主な違いを以下の表に整理します。
ハイパーパーソナライゼーションとは
ハイパーパーソナライゼーションとは、AIと行動データを活用し、商品レコメンドだけにとどまらず、ページ構成・バナークリエイティブ・メール文面・配信タイミングまでを顧客一人ひとりに合わせて動的に切り替える、より高度なパーソナライズの考え方です。サイト滞在時間やスクロール速度、クリック位置などの微細な行動データから「今この瞬間の関心」をリアルタイムに捉え、購買意欲が最も高まる文脈で最適なコンテンツを差し込む点が特徴です。AI型パーソナライズが実用段階に入ったことで広がってきた概念です。
なぜ今ECにパーソナライズ接客が求められているのか
ポイント:消費者の期待値上昇・LTV重視への転換・AI技術の普及という3つの構造変化が、パーソナライズ接客の重要性を押し上げています。
パーソナライズ接客が重視される背景には、消費者行動とテクノロジーの両面で複数の構造的な変化があります。
消費者ニーズの多様化と情報過多
スマートフォンとSNSの普及により、消費者は日々大量の情報にさらされています。画一的なメッセージは「自分には関係のない情報」としてスルーされやすく、自分の生活スタイルや価値観に合った提案への期待値が年々高まっています。McKinsey & Companyの「Next in Personalization 2021 Report」では、消費者の71%がパーソナライズされた体験を「期待する」と回答し、応じない企業に対しては76%が不満を感じると報告されています。
新規獲得コストの高騰とLTV重視への転換
新規顧客の獲得は、一般に既存顧客維持よりもコスト効率の面で不利になりやすいと指摘されています。広告費が上昇を続けるなか、新規獲得だけに依存するモデルは収益を圧迫し、既存顧客のリピート率とLTV(顧客生涯価値)の最大化が経営課題となっています。「このサイトは自分のことをわかってくれている」という感覚を生むパーソナライズ接客は、エンゲージメント向上と離脱防止に直接効果を発揮します。
AI・SaaSの進化による中堅企業での実装可能性
かつてパーソナライズ接客の本格実装には、大規模なデータ基盤と専門エンジニアチームが必要で、大手企業しか現実的に取り組めない投資でした。近年はSaaSプラットフォームへのAI機能統合が進み、専門知識がなくてもデータ収集・分析・施策実行をほぼ自動化できる環境が整いつつあります。EC規模を問わず、本格的なパーソナライズ接客に取り組める時代へと移行しています。
ECサイト利用者は接客にどのような期待を持っているのか
ポイント:利用者は高度なAI体験よりも「意図をくみ取り、欲しい商品へ最短で導く接客」を求めており、検索体験の悪化が他サイトへの流出を直接引き起こしています。
シナブルが2025年12月に実施した独自調査(n=1,030、月1回以上ECサイトを利用する20〜50代男女、PRIZMAリサーチ調べ)からは、現状のEC接客に対する利用者の不満と期待が明確に見えてきます。
調査では、商品を探す手段として「検索窓でキーワード検索」が74.6%と最多を占め、「毎回使う(52.4%)」「ときどき使う(41.3%)」と約9割が日常的に検索機能を利用していました。一方で、1回の入力で目的の商品にたどり着ける利用者は6.8%にとどまり、9割以上が複数回の再検索を強いられています。
さらに、検索体験の悪さによって購入を諦めた経験があるユーザーは約6割にのぼり、目当ての商品が見つからない場合の最多行動は「他のECサイトを使う(47.9%)」でした。理想の検索体験として「目当ての商品がすぐに見つかる(54.5%)」「キーワードが曖昧でも適切な候補が出る(24.0%)」が上位に挙がり、利用者は高度なAI体験よりも「自分の意図をくみ取って、欲しいものに最短で導いてくれる接客」を求めていることが分かります。
ECのパーソナライズ接客にはどのような種類があるのか
ポイント:代表的な施策は7種類あり、サイト内・コミュニケーション・サイト外を横断して組み合わせることで効果が最大化します。
ECサイトで実装しやすい代表的なパーソナライズ接客は、以下の7種類に整理できます。
- サイト内コンテンツの出し分け(バナー・特集・会員ランク連動)
- レコメンド(商品提案・クロスセル・アップセル)
- ポップアップ・Web接客
- パーソナライズドメール・LINE配信
- カゴ落ち対策とAIチャットボット
- 診断コンテンツによる体験型パーソナライズ
- 動的リマーケティング広告
以下、それぞれの特徴を解説します。自社のフェーズと顧客データの蓄積度合いに応じて組み合わせを設計することが効果的です。
サイト内コンテンツの出し分け(バナー・特集・会員ランク連動)
同じページを訪問した顧客でも、表示されるバナー・特集・案内文を行動データや属性に応じて自動的に変える仕組みです。新規顧客には会員登録特典を、既存会員にはランクに応じたクーポンを、誕生月の会員にはバースデーオファーを提示するといった活用が代表的で、サイト改修のコストをかけずに「顧客ごとに違う体験」を提供できます。
レコメンド(商品提案・クロスセル・アップセル)
閲覧履歴・購買履歴・カート履歴・類似ユーザーの行動などをもとに、「この人が次に欲しいもの」を自動で提示する機能です。Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も」が代表例で、クロスセルやアップセルによる客単価向上、離脱防止に直結します。協調フィルタリングやコンテンツベースなど複数のロジックを組み合わせることで精度が高まり、データが蓄積されるほど効果が積み上がるのが特徴です。
ポップアップ・Web接客
サイトアクセス時の行動データや滞在ページに応じて、タイムセール案内、初回購入クーポン、レビュー依頼、チャット起動などをポップアップで表示する施策です。離脱の兆候を見せたユーザーへの引き止め、クロスセル、アンケート回収など、目的に応じて柔軟に活用できます。
パーソナライズドメール・LINE配信
顧客の購買履歴・お気に入り商品・閲覧履歴をもとに、個人ごとに最適化されたメールやLINEを自動配信する手法です。「全員に同じメルマガ」ではなく、「Aさんには再入荷通知」「Bさんには購入サイクルに合わせた補充提案」「Cさんには休眠掘り起こしクーポン」を届けることで、開封率とCVRを大きく引き上げます。メールの場合は開封タイミングでレコメンドエンジンを呼び出し、本文中のコンテンツを差し替える「開封時パーソナライズ」も普及しています。
カゴ落ち対策とAIチャットボット
カゴ落ち対策では、通知タイミングや訴求文言をデータに基づいて最適化することで、回収率の改善が見込めます。AIチャットボットは問い合わせ対応に加え、購買履歴を踏まえた商品提案を行う「接客自動化ツール」として進化しており、夜間・休日でも接客機会を逃さない体制が整います。
診断コンテンツによる体験型パーソナライズ
パーソナルカラー診断・肌質診断・ライフスタイル診断のように、ユーザー自身がいくつかの質問に答えることで、自分に合った商品が提案される仕組みです。診断結果は「自分のために選ばれた」という納得感を生み、購入後のレビュー率やSNSでの拡散にもつながりやすい点が特徴です。コスメ、ファッション、健康食品、ペット用品など、嗜好や体質と相性の良いカテゴリで採用が広がっています。
動的リマーケティング広告
サイト外の広告面においても、過去に閲覧した商品をバナーに動的に反映する動的リマーケティング広告を活用することで、離脱したユーザーを再訪問へと誘導できます。Google広告ヘルプによれば、動的リマーケティングは商品フィードとサイトタグの連携によって「過去に閲覧した商品や関連商品」を広告に反映する仕組みとされています。サイト内の体験と広告クリエイティブを一貫させることで、ブランド体験の連続性が高まり、再購入率の改善にも寄与します。
ECのパーソナライズ接客にはどのようなメリットがあるのか
ポイント:パーソナライズ接客はCVR・客単価・LTVといった事業KPIを直接押し上げ、口コミによる潜在顧客獲得にもつながります。
パーソナライズ接客の効果は、サイト体験の改善だけでなく、収益指標と顧客関係性の双方に及びます。
CVRと客単価の向上
ユーザー一人ひとりに最適化された商品提案やコンテンツは、購買意欲を高めやすく、CVRや客単価の改善に直結します。McKinseyの「Next in Personalization 2021 Report」では、パーソナライズが優れた企業は、そうでない企業に比べ売上を40%多くパーソナライズ施策から生み出していると報告されています。
離脱防止とリピート率の改善
「探している商品が見つからない」「自分に関係のない情報ばかり」という体験は、ユーザーの離脱を招きます。閲覧履歴や好みに沿った接客は、サイト滞在時間と回遊率を引き上げ、リピート率の向上に貢献します。
LTV・ブランドロイヤリティの向上
「このサイトは自分のことをわかってくれている」という体験は、ブランドへの好感とロイヤリティを高めます。Twilio Segmentの「State of Personalization Report 2023」では、56%の消費者が「パーソナライズされた体験を受けるとリピーターになる可能性が高い」と回答しており、LTV向上に直結する要素であることが確認されています。
口コミ・PR効果と潜在顧客の取り込み
満足度の高い接客体験は、SNSや口コミでの自発的な発信を生みやすく、広告以外の経路で新規顧客に届く余地が広がります。また、診断コンテンツや探索的レコメンドを通じて、顧客自身も気づいていなかったニーズに出会えると、商品の発見体験そのものがブランド資産となっていきます。
ECのパーソナライズ接客はどのような手順で始めればよいか
ポイント:パーソナライズ接客は「目的整理→データ基盤→即効施策→検証拡張」の4ステップで段階的に進めるのが現実的です。
パーソナライズ接客は、一度に全てを始める必要はありません。段階的に進めることで投資対効果を確認しながら拡張できます。
1つ目のステップは、目的とKPIの整理です。CVR改善、客単価向上、リピート率改善、離脱防止など、何を優先するかを明確にし、改善目標を数値で設定します。
2つ目のステップは、データ基盤の整備です。購買データ・行動データ・属性データ・コミュニケーション履歴を統合し、CDP(顧客データプラットフォーム)に集約しておくことで、AIや接客機能が顧客の全体像を把握できるようになります。EC・実店舗・メール・SNSなど複数チャネルのデータを分断したまま運用すると、AIが顧客像を正しく描けず、施策精度が頭打ちになります。
3つ目のステップは、ROIが出やすい施策から着手することです。既存顧客のデータだけで始められるレコメンドやカゴ落ちプッシュ通知、誕生月や会員ランクに連動した出し分けは即効性が高く、最初の一手として有効です。
4つ目のステップは、ABテストによる検証と継続改善です。データが蓄積するほどAIの精度は上がり、施策の打ち手も広がります。動的コンテンツ、パーソナライズドメール、チャットボット接客、診断コンテンツなどへ段階的に拡張していきます。
年商規模別の導入ロードマップ
自社の事業規模に応じて、優先する施策とデータ基盤の整備順序は変わります。代表的なステップを以下の表に整理します。
ECのパーソナライズ接客で陥りやすい落とし穴は何か
ポイント:「やりすぎ」「フィルターバブル」「データ分断」の3つが代表的な失敗要因であり、設計段階での回避策が成否を分けます。
パーソナライズ接客は強力な手段ですが、設計を誤ると逆効果になることがあります。代表的な注意点を3つ整理します。
1つ目は「やりすぎ」によるユーザーの不快感です。購入済み商品を繰り返しレコメンドしたり、閲覧履歴をそのまま押し付ける表示は、「監視されている」と感じさせる原因になります。レコメンド理由の明示や、購入済み商品の除外ロジックなど、納得感を高める設計が欠かせません。
2つ目は「フィルターバブル」です。AIが過去の嗜好に近い商品ばかりを提案し続けると、新しい商品との出会いがなくなり、長期的なエンゲージメントが低下します。好みに近いが未閲覧の商品を一定割合で混ぜる「探索的レコメンド」の設計が有効です。
3つ目は「データの分断」です。EC・実店舗・メール・SNSなど複数チャネルのデータが分断されていると、顧客の全体像が見えず、精度の高いパーソナライズができません。CDPやDWHでのデータ統合は、施策の質を決める前提条件となります。なおプライバシー保護の観点では、自社で取得した1stパーティデータの活用が中心となるため、利用目的の明示、オプトアウト導線、データ最小化の原則を運用ルールに組み込むことが望まれます。
EC Intelligenceで実現するパーソナライズ接客
ポイント:EC Intelligence(ECI)は検索・レコメンド・接客・配信・CDPを1基盤に統合し、ノーコードで一貫したパーソナライズ接客を実装できる点が特長です。
ここまで紹介してきたパーソナライズ接客の各施策は、検索・レコメンド・接客・メール/LINE/アプリ通知・CDPなど、複数の機能を組み合わせて初めて効果を発揮します。個別ツールを連携させる構成では、データ連携や運用負荷が大きくなりがちです。
シナブルが提供する「EC Intelligence(ECI)」は、サイト内検索・レコメンド・接客・各種チャネル配信・CDPを1つに統合した、EC特化型のオールインワンMA/CRMツールです。同じ顧客データと商品データを各機能が参照するため、サイト・メール・LINE・アプリ通知をまたいだ一貫したパーソナライズ接客を、ノーコードで設計できる点が特長です。
会員属性・行動データに基づくサイトカスタマイズ
「今月誕生月の会員にだけバースデークーポンを案内したい」「会員ランクごとに特典や訴求文を変えたい」「非会員にだけ会員登録特典を表示したい」「キャンペーン対象者にだけバナー告知を出したい」――現場で頭に浮かびながらも、実装の手間を理由に後回しになりがちな施策は少なくありません。ECIの接客機能では、こうした会員ごとのサイトカスタマイズを管理画面から設定できます。
実装した施策はA/Bテストで効果を比較できるため、「まずは小さく試したい」「効果が出なければすぐ戻したい」といった検証フェーズの不安にも対応しやすく、頭の中の仮説を素早くPDCAサイクルに乗せられる点が特長です。CVR向上に直結する接客を、エンジニアリングリソースに依存せずに継続的に積み上げていくことができます。

検索・レコメンド・配信を統合したリアルタイム接客
ECIは大量配信にもパーソナライズドコンテンツをリアルタイムで差し込める設計で、100万会員を超える配信でも、開封タイミングで個別レコメンドを表示できます。あるEC事業者では、この仕組みによってメール経由の売上が27%増加した事例があります。また、お気に入りや閲覧履歴と紐づけた値下げ・再入荷・売り切れ間近の通知では、開封率55〜60%、訪問率15〜20%、配信に対するCV率0.2〜0.6%という、全体配信と比較して大きく高い反応率が得られた事例も報告されています。
リピート促進と離脱防止のシナリオ自動化
ECIのシナリオ機能では、購入頻度や容量・購入個数を加味した自動リピート促進、CPM時系列分析と連動した離脱顧客復活施策などを設計できます。あるEC事業者では、1つのシナリオで売上全体の約20%を直接貢献させた事例や、離脱顧客への細かな施策によって復活率が施策未実施と比較して2.8倍となった事例も報告されています。パーソナライズ接客を点で実装するのではなく、顧客の購買サイクル全体を見渡したシナリオとして設計できる点が、統合プラットフォームならではの強みです。
EC Intelligenceを活用したパーソナライズ接客の事例
■ アパレルEC:カート放棄者へ「カゴ落ち商品」をトップページでリマインドし、CVR約35%改善
- 課題: カートに商品を入れたまま離脱(カート放棄)したユーザーがサイトに再訪問した際、カートに商品が残っていることが分かりにくいという課題がありました。
- 施策・効果: カートに商品が入ったままのユーザーが再訪問した際、トップページ上に「カートに入っている商品」をWeb接客でパーソナライズ表示。買い忘れに気づきやすくなったことで、対象者のCVRが約35%改善するという高い成果を上げています。
- 課題: 商品を見ただけで離脱したユーザーが再訪した際、スムーズに検討を再開できる導線が不足していました。
- 施策・効果: 商品の閲覧履歴があるユーザーが再訪問した際、「最近チェックした商品」へのリンクアイコンをWeb接客で画面上に自動表示。一人ひとりの過去の興味に即座にアクセスできるようになったことで、再訪問者のCVRが20%向上しました。
- 課題: 既存会員に向けてメルマガの登録を促進したかったものの、すでに登録している会員にまで案内を出してしまうとユーザビリティを損ねる懸念がありました。
- 施策・効果: Web接客機能を用いて会員の属性(メルマガの許諾状況)を判定し、「メルマガNG」の会員がログインした時にのみ、ヘッダーにメルマガ会員の特典(メリット)を伝えるバナーを表示。会員の状況に応じた完璧な出し分けを行った結果、わずか3ヶ月で103名のメルマガNG会員を「OK(登録)」へと引き上げることに成功しました。
- お気に入り商品の値下げ・在庫僅少通知: 会員が「お気に入り登録」している特定の商品の価格が下がったり、在庫が残りわずかになったタイミングで、サイト来訪時にアラートメッセージをパーソナライズ表示し、購買意欲を刺激します。
- 気象データ連動ポップアップ: 会員の居住地域の天気や気温データ(API)と連動し、例えば「猛暑日予報の地域のユーザーにだけ熱中症対策グッズを案内する」といった、生活シーンに寄り添ったタイムリーな接客を実現します。
- 離脱意図の検知×直前の行動: サイトから離脱しようとする動きを検知した瞬間に、直前の検索ワードや閲覧商品に連動した特典(送料無料クーポンなど)をポップアップし、嫌悪感を与えずに引き留めます。
こちらの関連記事もご覧ください。
関連記事:WEB接客機能でABテストを実装!効果・進め方・施策アイデアと成果につなげる注意点を解説
関連記事:効果的なアンケート配信で効率的にVOCを収集し、施策・改善に活かす
関連記事:アンケート機能で「YES/NOチャート」を作ってみよう!
関連記事:【調査】ECサイト通知は「うるさい?」興味を持ってしまう通知ランキングは…?
関連記事:【調査】約9割が同じECサイトでリピート購入経験あり!“パーソナライズ通知”が購買行動を後押し
ECのパーソナライズ接客に関するよくある質問
ポイント:導入規模・費用・期間・効果測定など、検討段階で寄せられやすい疑問を整理しました。
Q1. パーソナライズ接客はどの規模のECサイトから始められますか
A. 本格的なAIパーソナライズはデータ量が多いほど精度が上がりますが、会員ランクや誕生月、購入回数といった既存の会員データだけでも、十分に効果的な出し分けが可能です。中小規模のECサイトでも、まずは会員属性ベースのバナー出し分けや、購入後のクロスセルメールから始めることをおすすめします。
Q2. パーソナライズ接客とレコメンドはどう違いますか
A. レコメンドは、商品提案に特化したパーソナライズ接客の一手法です。パーソナライズ接客はより広い概念で、バナー・特集ページ・ポップアップ・メール・LINE・チャットなど、サイト全体・コミュニケーション全体での個別最適化を含みます。レコメンドはパーソナライズ接客を構成する重要な要素のひとつと位置づけられます。
Q3. 導入費用と期間の目安はどのくらいですか
A. 機能範囲とデータ統合の有無によって幅があります。レコメンドや会員ランク連動の出し分けなど単機能型のツールでは月額数万〜数十万円、CDP・MA・レコメンド・接客を統合したオールインワン型では月額数十万〜数百万円が一般的なレンジです。立ち上げ期間は単機能で1〜3ヶ月、統合型で3〜6ヶ月程度が目安となります。詳細費用はベンダーへの見積もり比較で確認することが望まれます。
Q4. 効果が出るまでにどれくらいかかりますか
A. 会員属性連動バナー、カゴ落ち通知、購入後クロスセルメールなどの即効性が高い施策は、導入から1〜2ヶ月でCVRや回収率の改善が見えやすくなります。AIレコメンドや行動データを用いるパーソナライズは、データ蓄積量に応じて精度が上がるため、安定した成果が見える時期は3〜6ヶ月が目安です。リピート・離脱シナリオまで含めた統合最適化は、半年から1年程度の運用サイクルで成果が積み上がっていく傾向があります。
Q5. パーソナライズ接客はプライバシーの観点で問題はありませんか
A. Cookie規制やプライバシー保護への意識が高まるなか、自社で取得した1stパーティデータの活用が中心になります。利用目的の明示、オプトアウト導線、データ最小化の原則を守ることが前提となり、CDP上で同意管理と一体で運用する設計が望ましいといえます。
Q6. パーソナライズ接客の効果はどのように測定すればよいですか
A. サイト全体のCVR・客単価・リピート率・LTVといった事業KPIに加え、施策単位でのクリック率・開封率・CV率を継続的にモニタリングします。ABテストで未実施群との比較を行うことで、パーソナライズ施策の純粋な貢献度を定量的に把握できます。
Q7. 従来型のパーソナライズとAI型パーソナライズの違いは何ですか
A. 従来型は担当者が手動でルールを設定する方式で、ルール数が増えるほど運用負荷も高まります。AI型は購買・閲覧・行動データを自動学習し、個人ごとに最適なコンテンツをリアルタイムに生成・表示できる点が大きな違いです。データが蓄積するほど精度が向上するため、長期運用に向いています。
EC特化のCRMツールならEC Intelligence

顧客エンゲージメントの向上は、企業の持続的な成長に不可欠な要素です。顧客との深い関係性を構築し、維持していくためには、適切なコミュニケーション戦略とデータに基づいたアプローチが重要となります。
しかし、多様化する顧客接点を適切に管理し、個別のコミュニケーションを実現することは、企業にとって大きな課題となっています。
そこでおすすめなのがEC特化型のオールインワンMAツール「EC Intelligence」です。EC Intelligenceは、検索エンジン・レコメンドエンジン・メール配信エンジンが統合された国内唯一のMA/CRMツールとして、さまざまな顧客接点を一元管理することができます。
- データの自動収集と統合:購買履歴やアクセスログなど、顧客分析に必要なデータを自動で収集・統合します。
- 高度な顧客セグメント作成:顧客分析に基づいた詳細な顧客セグメントを簡単に作成できます。
- ユーザー体験をオールインワンで最適化:ユーザーがサイトを訪問してから購入するまでの流れを、一つのツールで最適化します。
- 迅速なサポート体制:ツールの開発に携わるエンジニアが直接サポートを担当し、素早く・幅広く・的確な回答を提供します。
ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。