調査レポート

【お酒のオンライン購入】20代のカゴ落ち経験率は約9割!「送料の壁」と「味への不安」を解消するレコメンド機能とは?

【お酒のオンライン購入】20代のカゴ落ち経験率は約9割!「送料の壁」と「味への不安」を解消するレコメンド機能とは?

若年層はレビュー、シニア層は価格を重視。年代ごとの着眼点に合わせたUI最適化と適切な情報提供がカギに。

株式会社シナブルは、オンラインショップでお酒を月1回以上購入する20~60代の男女を対象に、「お酒のオンライン購入とレコメンド機能」に関する調査を実施しました。

近年のEC市場拡大に伴い、お酒の購入においてもオンラインショップの活用が日常化しています。
前回実施した「酒類の購買行動と実店舗・オンラインの比較」に関する調査では、オンライン購入には「実物を見られない不安」などのハードルがあり、年代によってサイトに求める体験が異なることが明らかになりました。

こうした中、豊富な品揃えゆえに「自分に合う商品が探しにくい」「提案機能が物足りない」といった新たな課題も生じています。
利便性だけでなく、一人ひとりに寄り添う顧客体験の質が問われる今、消費者はオンラインショップにどのような購買体験や機能を求めているのでしょうか。


前回調査:「酒類の購買行動と実店舗・オンラインの比較」に関する調査

本調査の主な結果

  • オンラインショップでお酒を探す際、約6割(59.2%)が「商品名」で指名検索。目的買いの傾向が明確に
  • カートに入れたものの購入を諦めた経験がある方は20代で約9割。最大の離脱要因は「他サイト・実店舗との比較」や「送料の高さ」
  • 既存のレコメンド機能に対しては「在庫切れの表示」や「予算・利用シーンとの不整合」など、提案の精度や文脈に不満
  • 商品ページで注目する情報、20〜40代は「口コミや受賞歴」、50〜60代は「値引き価格・送料無料」を重視
  • 好みに完璧に合ったお酒を提案する専用ショップがあれば、約7割(68.9%)が「購入頻度や金額が増える」と回答

オンラインショップでのお酒の探し方は「商品名で直接」が約6割で最多!

はじめに、「オンラインショップでお酒を探す際、あなたの探し方に近いもの」を尋ねたところ、 『商品名で直接探す(59.2%)』と回答した方が最も多く、『お酒の種類だけ決めて探す(36.2%)』『予算や価格帯に合わせて探す(29.9%)』となりました。

約6割が「商品名」で検索していることから、オンラインショップを訪れる時点で、すでに購入したいお酒が決まっているケースが多いことがうかがえます。
また、「種類」や「予算・価格帯」で絞り込む方も一定数おり、事前に情報収集を済ませているか、日常的な定番のお酒をリピート購入していると考えられます。

では、実店舗にはないどのような魅力をオンラインショップに感じているのでしょうか。

「お酒を購入する際のオンラインショップを利用するメリット」について尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

20代では「商品レビューの確認」や「店員を気にせず選べる」といった、情報収集のしやすさと心理的な気楽さが上位に入っています。
一方で、30代以降は年代が上がるにつれて、「重いお酒を持ち帰る手間の省略」や「価格の安さ」が支持を集める傾向が見られました。
この結果から、 若年層は商品選びの失敗を避けるための「納得感」や「自分の満足するショッピング」という心理的なメリットを求めているのに対し、中高年齢層は体力的な負担軽減やコストパフォーマンスといった「実利」を重視していることがうかがえます。

「とりあえずカートに入れたまま…」が20代では約9割!おすすめ機能に対する不満とは?

オンラインならではのメリットが評価される一方で、いざ購入手続きに進んだ際に途中で離脱してしまうケースはどの程度あるのでしょうか。

「ネットショッピングで、お酒をカートに入れたものの、最終的に購入せずにサイトを離れた経験はあるか」と尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

全体の傾向として、年代が若くなるほどカートに入れた後に離脱する割合が高いことが明らかになりました。
特に 20代では『よくある』『たまにある』を合わせた回答が約9割(88.9%)に達し、30代でも8割半ば(85.5%)にのぼりました。購入の直前でいったんサイトを離れる行動が、若年層では日常的になっている様子がうかがえます。
一方で、40代以降は、年代が上がるにつれて離脱経験のない割合が増加しており、高年齢層は購入の意思が固まってからカートへ入れている傾向が見て取れます。

では、購入の一歩手前でサイトを離れてしまう原因はどこにあるのでしょうか。

前の質問で『よくある』『たまにある』と回答した方に、「商品をカートに入れた後で購入をやめた理由」について尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

年代を問わず、『他サイトや実店舗と比較したかった』が上位に入っており、商品をカートに入れた後も冷静に比較検討を続けている様子がうかがえます。
一方で、離脱の理由には年代ごとの違いも浮き彫りになりました。
20代や30代では、『会員登録や年齢確認が面倒だった』が上位にランクインしており、手続きの煩雑さが購入をためらう要因になっているようです。
対して40代以降では、『送料や各種手数料が高かった』や 『他でより安い・良い商品を見つけた』が上位を占めており、最終的な支払いコストに対するシビアな視点が見て取れます。

そのような中、実際の購入プロセスにはどの程度の時間をかけているのでしょうか。

「オンラインでお酒を購入する際、商品を探し始めてから決済を完了するまでに、一度にどのくらいの時間をかけることが多いか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

  • 『5分未満(9.9%)』
  • 『5分~10分未満(36.1%)』
  • 『10分~30分未満(37.7%)』
  • 『30分~1時間未満(10.9%)』
  • 『1時間以上(2.0%)』
  • 『一度で完了せず、日を改めて購入することが多い(2.9%)』

全体の約8割が、探し始めてから「30分未満」で決済を完了しており、オンライン購入においてスムーズな購入動線を叶える設計が求められていることがうかがえます。
すでに購入したい商品が決まっている「目的買い」が多いことも、このスピーディーな購買行動を後押ししていると考えられます。

一方で、『1時間以上』と回答した方の割合を年代別で見ると、20代が他の年代と比べて最も高い割合を示しました。

■『1時間以上』と回答した方

  • 20代:11.1%
  • 30代:2.2%
  • 40代:1.3%
  • 50代:1.2%
  • 60代:1.9%

若年層は購入前に他サイトとの価格比較やレビューの確認を入念に行う傾向があるため、結果として決済までの検討時間が長くなっていると推測されます。

では、その過程で表示されるおすすめ機能にはどのような不足や不満を感じているのでしょうか。

「お酒を購入する際、オンラインショップのおすすめ機能に不満・不足を感じる理由」について尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

20代や60代では、『在庫切れの商品が表示される』が上位に入っており、購買意欲を削ぐシステム上の課題がうかがえます。
一方、30代と40代では『予算や利用シーンに合わない』、20代や30代では『おすすめされる理由がわからない』が多く見られ、自身のニーズや購入文脈と提案内容とのズレに違和感を抱いている様子が見て取れます。
さらに、40代以降の中高年齢層になると『似た商品ばかりでマンネリ化している』『興味のない種類のお酒が表示される』といった不満も挙げられています。
これらの結果から、過去の購入履歴に依存した単調な提案や機械的な表示ではなく、 その時々の目的や細かな好みを的確に捉えた、より精度の高いパーソナライズが求められていると考えられます。

つい目がいくのは「レビュー」と「受賞歴」。好みに合う「自分専用のECサイト」なら約7割が購入増!

おすすめ機能への不満がある一方で、商品ページのどのような情報に惹きつけられているのでしょうか。

「お酒を購入する際、オンラインショップの商品ページで、つい目がいってしまう情報」を尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

20代では『金賞などの受賞歴・専門家の評価』、30代や40代では『口コミ・レビュー』が上位を占め、 第三者の評価やレビューなどを重視して、商品選びの失敗を防ごうとする心理がうかがえます。
一方、50代や60代では「値引き価格」「送料無料」「ポイント還元率」といったコストに関する項目が上位を占めました。
中高年齢層はすでに自身のお酒の好みが定まっているケースが多く、純粋に「いかにお得に購入できるか」に集中していると考えられます。

そのような背景から、よりスムーズに買い物を進めるために、どのような機能があれば嬉しいと思うのでしょうか。

「お酒を購入する際、オンラインショップにどのような機能があれば嬉しいか」と尋ねたところ、年代別で以下のような回答結果になりました。

年代を問わず、『価格や種類などの詳細な絞り込み(フィルター)機能』が上位に入っており、豊富な商品の中から自身の希望条件に合わせてスムーズに検索したいというニーズがうかがえます。
また、20代や40代では「おすすめ料理やおつまみのレコメンド機能」が上位にランクインしており、お酒単体だけでなく、食事と合わせた体験全体を豊かにする提案が求められていると考えられます。

さらに、30代以降の年代では「お気に入り登録・比較機能」や「写真付きの口コミ・レビュー」が上位を占める傾向が見られました。
年代が上がるにつれて、気になった商品をストックして他と比較検討したり、実際の購入者の声を参考にしたりしながら、失敗のない慎重な商品選びを行っている様子が見て取れます。

能動的な検索だけでなく、ショップ側からの働きかけはどのように受け止められるのでしょうか。

「どのようなタイミングや内容であれば、オンラインショップからのお知らせ(メールマガジン、プッシュ通知など)を開いてみたいと思うか」と尋ねたところ、『タイムセールの告知(31.5%)』と回答した方が最も多く、『誕生月・記念日の特別クーポン(24.0%)』『好みに合う新商品の発売時(23.5%)』となりました。

ショップからの通知を開くきっかけとして、「具体的なメリット」と「自分に合った体験」が求められていることが示されました。
最も高かった『タイムセールの告知』からは、お得な買い物のチャンスを逃したくないという実利的な動機がうかがえます。
また、「誕生月の特別クーポン」や「好みに合う新商品」が上位に並んでいることから、 一斉送信の定型文ではなく、自分自身に最適化された情報であれば、好意的に受け入れられやすいと考えられます。

最後に、「もし、あなたの好みに完璧に合ったお酒を提案してくれる自分専用のオンラインショップがあった場合、購買行動はどう変化すると思うか」と尋ねたところ、 約7割が『購入頻度や金額が大きく増えると思う(17.4%)』『購入頻度や金額がやや増えると思う(51.5%)』と回答しました。

自分に完璧にフィットするパーソナライズ体験が提供された場合、多くの方が前向きに購入を検討する傾向にあることが示されました。
顧客一人ひとりの好みに寄り添った精度の高い提案の実現は、単なる利便性の向上にとどまらず、顧客の継続的な利用や売上拡大に直接寄与する極めて重要な要素であるといえるでしょう。

まとめ:利便性の追求から「パーソナライズされた顧客体験」の提供へ

今回の調査で、お酒のオンライン購入における消費者の実態と、レコメンド機能に対する意識が明らかになりました。

購入時の行動として、約6割はあらかじめ商品を決めて検索しており、30分以内という短時間で決済を完了させる傾向があります。
しかし、その過程で多くの方が「他店との比較」や「送料の高さ」を理由にカートから離脱している実態も浮き彫りとなりました。

また、年代によってオンラインショップに求めるメリットや注視する情報に明確な違いがある一方で、現状のレコメンド機能に対しては「在庫切れ」や「的を射ない提案」といった不満の声が見られます。

これらの結果は、 画一的な商品提示や一斉配信の通知では、もはや消費者の期待に応えきれないことを示唆しています。
消費者は「詳細な絞り込み機能」や「料理に合わせたペアリング提案」など、自分自身のニーズや文脈に寄り添ったサポートを求めています。
実際に、自身の好みに完璧に合った提案が受けられるのであれば、約7割が「購入頻度や金額が増える」と回答しており、 高精度なパーソナライズの実現が事業成長に直結することが示されました。

今後は、豊富な商品ラインナップや価格競争力を維持しつつも、個々の顧客データに基づいた適切なレコメンドや、タイミングを見計らった有益なお知らせ配信など、「個客」に寄り添う顧客体験の最適化が、オンラインショップ運営においてますます求められそうです。

こうしたオンライン特有の課題は、実際の導入現場ですでに解決が進んでいます。EC Intelligenceでは、カートに残った商品だけでなく“お客さまの嗜好に合う別の一本”まで提案するレコメンドや、顧客一人ひとりに合わせたセグメント配信・シナリオメールによって、「味が好みに合うか不安」「選ぶのに疲れる」といった壁を越え、 リピート購入につなげている事例が生まれています。年代ごとに異なるニーズ、若年層への最適なタイミングの案内、シニア層への実利的な特典なども、顧客データに基づけば一つの仕組みで出し分けが可能です。

【調査概要】

調査概要:「お酒のオンライン購入とレコメンド機能」に関する調査
【調査期間】2026年9月1日(火)~2026年9月2日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,009人
【調査対象】調査回答時にオンラインショップでお酒を月1回以上購入する20~60代の男女と回答したモニター
【調査元】株式会社シナブル(https://www.scinable.com/)
【モニター提供元】サクリサ

※本レポートのPDF版をご希望の方はこちらからダウンロードください。


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記事を書いた人
株式会社シナブル

ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。

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