商品のスペックを並べるだけでは魅力が伝わらない、メーカー提供の文章をただ貼り付けているだけで成果を感じられない、といったECサイトの商品説明に関する悩みはありませんか。
この記事を読めば、商品説明の作り方と、それをどう見せるかを判断し、自社の商品ページを改善できる状態になります。
商品説明は、書く内容と同じくらい「見せ方」で成果が変わります。スマートフォンで縦に長くなるのを避けるためにアコーディオンで畳んでいる場合、その中身によっては購入の判断を妨げている可能性があります。
なぜ商品説明が売上を左右するのか?

顧客が商品を手に取れない環境で、購入の判断材料を提供する唯一の文章だからです。
ECサイトにおける商品説明とは、単に商品の仕様を伝えるだけのテキストではありません。
商品の価値を伝え、購入の決め手となる情報を提供する、いわば「Web上の接客担当者」です。
支援の現場で挙がるのは「商品の魅力や他商品との違いが伝わらない」「情報が多すぎて読む気にならない」という2つの声です。 前者は情報が足りていない状態、後者は情報が整理されていない状態で、打ち手が変わります。
商品説明が読まれていないサイトには、どんな症状が出る?
商品ページは見られているのに、カートに入れられていない状態です。
アクセスはあり、滞在時間もそれなりにあるのに、カート投入率が上がらない。このとき、商品説明が読まれていないか、読まれても判断材料になっていない可能性があります。
もう1つの症状は、スクロールが途中で止まっていることです。 ページの下部に重要な情報があっても、そこまで到達されていなければ存在しないのと同じです。
ECサイトの購入フロー改善については「ECサイトの購入フロー改善でCVR向上」で詳しく紹介しています。
商品説明には何を書くべき?

書く要素は4つです。商品のスペック、そのスペックがもたらす利点、使用シーン、そして他の商品との違いです。
顧客が本当に知りたいのは、商品の機能そのものではなく、その機能によって自分の生活がどう良くなるかという点です。
例えば、 単に「軽量設計」と書くのではなく、「長時間持ち歩いても肩が凝りにくい軽量設計」と伝えることで、顧客は自分自身の体験として商品の価値を理解できます。
スペックとは、商品の機能、仕様、特徴といった客観的な事実です。「綿100%の生地」がこれにあたります。一方、そのスペックによって顧客が得られる価値が「肌触りがよく、汗をかいても蒸れにくいので、夏の夜も快適に眠れる」という部分です。
書く内容は5W1Hで洗い出せる?
洗い出せます。5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)に沿って商品を整理すると、書き漏れが減ります。
「誰が」はターゲット、「いつ・どこで」は使用シーン、「なぜ」は他商品ではなくこれを選ぶ理由にあたります。これに価格と数量・サイズを足して整理する方法もあります。
ただし、5W1Hで洗い出した情報をそのまま全部並べると、今度は「情報が多すぎて読む気にならない」状態になります。 洗い出しは漏れを防ぐための作業で、書く順番と見せ方は別に決めます。
スペックと使用シーン、どちらを先に書く?
商材によって変わりますが、 迷ったらスペックを先に置きます。
型番や仕様で商品を探している顧客は、スペックが先にないと判断できません。一方、使うイメージから入る商材では、シーンを先に置くほうが読み進められます。
どちらが適しているかは、サイト内検索でどんな言葉が入力されているかを見ると判断できます。型番や素材名が多ければスペック先行、用途や悩みの言葉が多ければシーン先行です。
他の商品との違いはどう書く?
比較の軸をそろえて書きます。
「他商品との違いが伝わらない」という状態は、 違いを書いていないのではなく、比べられる形になっていないことが原因であることが少なくありません。
同じカテゴリの商品が複数ある場合、サイズ・素材・用途など、顧客が比べたい軸を決めて、全商品で同じ順番・同じ項目で記載します。軸がそろっていれば、顧客は自分で比較できます。
どこまで書けば十分と言える?
購入の判断に必要な情報が揃っていれば十分です。
文字数の正解はありません。判断の材料になるのは、商品説明を見た人のカート投入率です。
書き足しても数値が動かないなら、不足しているのは情報量ではなく、情報の見せ方である可能性があります。
商品説明をアコーディオンで隠すと成果は落ちる?

購入の判断に必要な情報を畳むと落ちます。あるECサイトでは、商品説明文をデフォルト非表示からデフォルト表示に変更し、あわせてカートボタンへのアンカーリンクを設置したところ、 CVRが10%改善しました。
この事例では2つの施策を同時に実施しているため、アコーディオンの解除だけの効果ではありません。ただし、畳まれていた情報が開かれた状態になったことが、改善の要因の1つになっています。
開くという操作が1つ増えるだけで、その先の情報は読まれなくなります。クリックしなければ見えない情報は、「あるが見られていない情報」として扱う必要があります。
畳んでいい情報と、畳んではいけない情報は何が違う?
購入を判断する前に必要か、判断した後に確認する情報かの違いです。
畳んではいけないのは、商品の特徴、サイズや素材、他商品との違いなど、買うかどうかを決めるために読む情報です。これらが畳まれていると、判断そのものができません。
畳んでよいのは、配送方法の詳細、返品条件、支払い方法の一覧など、買うと決めた後に確認する情報です。これらは常に表示されている必要がなく、むしろ畳んだほうがページが見やすくなります。
迷ったときは、「この情報がないとカートに入れられないか」を基準に判断します。
情報量が多いページはどう整理する?
要点を先頭に置き、詳細を畳みます。
商品説明が長くなるのは、書くべきことが多い商材では避けられません。このとき、すべてを開いた状態にすると、今度は「情報が多すぎて読む気にならない」という状態になります。
対処は、冒頭に要点のサマリーを置くことです。何がどう良いのかを数行でまとめ、その下に詳細を配置します。詳細部分はタブやアコーディオンで階層化しても構いません。
判断に必要な要点が開いた状態で見えていれば、詳細を畳んでも判断は妨げられません。
商品説明は読みやすさをどう上げる?

文字サイズと行間を調整します。あるECサイトでは、 商品詳細ページのコンテンツの文字サイズを調整して可読性を高めたところ、CV率改善率10%を記録しました。
内容を変えずに、表示だけを調整した結果です。 読まれていない原因が、書いてある内容ではなく、わかりやすく表示されていないことにある場合があります。
スマートフォンで文章を読むユーザーは、PCに比べて流し読みする傾向が強くなります。一文を短くする、適度に改行を入れる、小見出しを立てる、重要な部分を強調する、箇条書きを活用するといった工夫が求められます。
文章のかたまりを意識的に分解し、視覚的にリズムを作ることで、同じ内容でもわかりやすく伝わります。
スマートフォンでの表示はどう確認する?
実機で商品ページを開いて確認します。
パソコンの画面で作った文章は、スマートフォンでは想定より縦に長くなります。1行が短くなるぶん、行数が増えるためです。
確認する点は3つです。1つめは、1画面に何行入るか。2つめは、文字が小さすぎないか。3つめは、アコーディオンの見出しが、中に何が入っているか分かる文言になっているかです。
3つめは見落とされやすい点です。 「詳細はこちら」とだけ書かれていると、中身が想像できないため開かれません。
商品説明の文章はどう構成する?

基本は3段階です。興味を引く冒頭、価値を伝える本文、そして購入を後押しする締めです。
冒頭の役割は、読者の注意を引きつけ、続きを読む気にさせることです。顧客が最も解決したい悩みや、商品が提供する最大の価値を凝縮した一文を置きます。
本文は、商品説明の中核部分です。なぜこの商品が顧客の悩みを解決できるのか、その理由と根拠を具体的に説明します。スペックを伝えつつ、それがどのような価値につながるのかを記述します。
締めでは、購入を迷っている顧客の背中を押します。保証や返品条件、他の購入者の声を紹介することも、購入への不安を和らげる上で有効です。
例文で示すと、次のような流れになります。
冒頭は「夏の夜、暑さで何度も目が覚めていませんか」。本文は「綿100%の生地を使用しています。肌触りがよく、汗をかいても蒸れにくいため、寝ている間の不快感を抑えられます」。締めは「サイズが合わない場合は、30日以内の交換を受け付けています」。
この例文では、冒頭で悩みを提示し、本文でスペックとその利点をセットで伝え、締めで購入後の不安を解消しています。商材が変わっても、この順番は共通して使えます。
この3段階は、商品説明のテンプレートとして使い回せます。商品ごとに書き起こすのではなく、 冒頭・本文・締めの枠を用意しておき、中身だけ差し替える運用にすると、商品点数が多いサイトでも管理できます。
テンプレートを作る際は、カテゴリごとに分けるのが現実的です。同じカテゴリの商品は、顧客が比べる軸も似ているためです。
メーカー提供の説明文をそのまま使ってもいい?
そのままの使用は避けたほうが無難です。
メーカーから提供された商品説明文をそのまま掲載すると、他の多くのECサイトと同じ内容になります。検索エンジンから重複コンテンツと見なされる可能性があるほか、自社の顧客層に合わせた独自の魅力を伝えられません。
結果として、 価格以外に選ばれる理由がなくなり、価格競争に巻き込まれやすくなります。
最低限、使用シーンや自社の顧客に向けた補足を1段落加えるだけでも、他サイトとの差は生まれます。
商品説明が読まれているかは、どこを見れば確認できる?

確認する箇所は3つです。
ステップ1は、商品説明の閲覧率とカート投入率の関係を見ることです。説明を読んだ人と読んでいない人で、カート投入率に差があるかを確認します。差が大きいほど、説明が判断に効いています。
ステップ2は、アコーディオンの開閉数を見ることです。 設置しているのにほとんど開かれていないなら、その中の情報は読まれていません。
ステップ3は、スクロールの完遂率と、どこで離脱しているかを見ることです。特定の位置で止まっているなら、そこに読みにくさの原因があります。
あわせて、1人あたりの商品閲覧数も見ておきます。複数の商品を見比べているのに決まっていない場合、商品間の違いが伝わっていない可能性があります。
EC Intelligenceでは商品説明の見せ方をどう検証する?

サイト本体を改修せずに、表示パターンを作って比較できます。
DOM要素の変更によって、テキストや表示の状態を直接調整できます。HTML、CSS、JavaScriptを直接記述することも可能なため、アコーディオンを開いた状態と畳んだ状態の2パターンを用意し、どちらがカート投入率につながるかを比較できます。
全接客コンテンツのA/Bテストと効果の自動計測に対応しているため、変更した結果どうなったかをそのまま確認できます。商品ページ内のコンテンツ配置を組み替えてテストする施策も、全訪問者に対して設定可能です。
タグを1つ入れるだけで導入でき、エンジニアの手を借りずに設定と検証を進められます。
商品説明についてよくある疑問は?
ここでは、ECサイトの商品説明に関して頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめました。
商品説明文は、どのような構成で書くのが効果的ですか?
冒頭、本文、締めの3部構成が基本です。
まず冒頭で顧客の興味を引き、次に本文で商品の価値を具体的に説明して納得させ、最後に締めで購入への後押しをします。
この構成に従うことで、顧客の購買心理に沿った自然な流れで商品を訴求できます。
アコーディオンは使わないほうがいいのですか?
使ってはいけないわけではありません。
畳んでよいのは、購入を決めた後に確認する情報です。配送方法や返品条件などがこれにあたります。
一方、商品の特徴やサイズ、他商品との違いなど、買うかどうかの判断に使う情報は開いた状態で見せます。
商品説明の文字数はどれくらいが適切ですか?
商材によって変わるため、共通の正解はありません。
判断の材料になるのは、商品説明を見た人のカート投入率です。
文字数を増やしても数値が動かない場合は、量ではなく見せ方に原因がある可能性を検討します。
メーカー提供の文章しか手元にない場合はどうすればいいですか?
使用シーンの記述を1段落加えることから始めます。
全商品を書き直すのは現実的ではないため、アクセスの多い商品から順に手を入れます。
誰が、どんなときに使う商品なのかを1段落足すだけでも、他サイトとの違いが生まれます。
商品説明をわかりやすくするには、何から始めればいいですか?
文字サイズと行間の調整から始めます。
内容を書き直す前に、表示の調整だけで読まれ方が変わることがあります。実際に、文字サイズを調整しただけでCV率が改善した事例もあります。
そのうえで、一文を短くする、箇条書きを使うといった文章側の調整に進みます。
この記事の要点は?
商品説明には、スペック、そのスペックがもたらす利点、使用シーン、他商品との違いの4つを書きます。
ただし、書いただけでは成果は変わりません。 購入の判断に必要な情報が畳まれていると、読まれないまま離脱されます。
畳んでいいのは、買うと決めた後に確認する情報です。判断に使う情報は開いた状態で見せます。
あわせて、文字サイズや行間といった読みやすさも成果に影響します。内容を変えずに表示だけを調整して、CV率が改善した事例もあります。
自社サイトの商品説明は今どの状態?
商品説明が読まれているかどうかは、説明の閲覧率とカート投入率の関係、アコーディオンの開閉数を見れば確認できます。ただし、自社だけで見ていると、どこから手を付けるべきかの判断が難しい場合もあります。
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