自社のサイト内検索がどれくらい使われているのか、利用率が低いのはなぜなのか、気になっていませんか。
検索機能の精度が低いと、ユーザーは欲しい商品を見つけられず、大きな機会損失につながる可能性があります。
この記事を読めば、サイト内検索が使われない原因と利用率を上げる改善策を理解し、GA4で自社サイトの利用状況を確認しながら、検索機能の改善や予算確保の根拠を示せる状態になります。
ECサイトでサイト内検索はなぜ重要?

ECサイトにおけるサイト内検索は、単なる補助機能ではなく、購入意欲の高いユーザーをコンバージョンへと導く重要な役割を担っています。
ユーザーは具体的な目的を持って検索するため、検索機能の利便性や結果の精度が、サイトの売上を大きく左右します。
しかし、多くのサイトでは検索体験の悪化が機会損失に直結している実態も見られます。
EC検索エンジンのCVR向上への貢献については「EC検索エンジンを強化するとCVRが上がる理由」で詳しく紹介しています。
サイト内検索の利用実態をデータで把握し、その重要性を理解することは、ECサイト改善の第一歩です。
サイト内検索を使う人はなぜ購入につながりやすい?
サイト内検索を利用するユーザーは、特定の商品を探しているなど、明確な購入意欲を持っている場合が多く、コンバージョンに至りやすい傾向があります。
検索窓に入力されるキーワードは、顧客の「欲しい」というニーズそのものです。
そのため、検索結果の精度を高め、求める商品へスムーズに誘導することができれば、 サイト全体のCVR向上に直接的な効果をもたらします。
検索体験の質は、売上を左右する重要な要素なのです。
ECサイトの利用者はどのくらいサイト内検索を使っている?
サイト内検索は、ECサイトで商品を探す人の多くが日常的に使っている機能です。ブランド公式ECで 検索機能を『毎回』使う人は52.4%、『ときどき』使う人は41.3%でした(シナブル調べ, n=1,030, 2025年12月)。
サイト内検索とは、ECサイトを訪れた人が検索窓に入力して、そのサイトの商品の中から目的の商品を探す機能のことです(GoogleなどのWeb検索とは別)。
顧客の側には検索を使う習慣があるため、自社サイトで利用率が低い場合は、顧客ではなくサイト側に原因があると考えるべきです。検索窓が目に入る位置にあるか、スマホで開いてすぐに入力できるか、検索した結果に満足できているかを順に確認していくと、原因を切り分けやすくなります。
検索体験が悪いと購入にどんな影響が出る?
検索体験が悪いと、顧客は目的の商品にたどり着く前に、購入そのものを諦めてしまいます。 検索体験が悪くて購入を諦めた経験がある人は62.9%(よくある9.2%+たまにある53.7%)にのぼりました(シナブル調べ, n=1,030, 2025年12月)。
ECサイト利用者への検索体験に関する調査結果は「ECサイト利用者1,030人に調査 検索体験が悪かったことによる離脱」で詳しく紹介しています。
検索は購入意欲の高い顧客が使う機能だからこそ、見つからない体験はそのまま売上の取りこぼしにつながります。利用率を上げる前に、使った人が満足できる検索になっているかを確かめることが大切です。
サイト内検索の利用率はGA4でどう確認する?

自社のサイト内検索がどの程度利用されているかを把握するには、GoogleAnalytics4(GA4)を活用するのが効果的です。
計測設定を有効にし、探索レポート機能を使えば、サイト全体のセッションのうち、どれくらいの割合でサイト内検索が使われているかを算出できます。
ここでは、GA4でサイト内検索の利用率を計測し、現状を分析するための具体的な3つのステップを解説します。
この手順に沿って、自社サイトの数値を可視化しましょう。
GA4でサイト内検索を計測するにはどう設定する?
はじめに、GA4でサイト内検索のイベントを自動で計測するための設定を有効化します。
GA4の管理画面左下にある「管理」アイコンをクリックし、プロパティ列の「データストリーム」を選択してください。
対象のウェブストリームをクリックすると、「イベント」の項目内に「拡張計測機能」があります。
その歯車アイコンをクリックし、「サイト内検索」がオンになっていることを確認します。
これで、ユーザーがサイト内検索を行うたびにview_search_resultsというイベントが自動的に記録されるようになります。
検索利用率はどう算出する?
次に、GA4の「探索」機能を使って、検索利用率を算出するレポートを作成します。
まず、「探索」メニューから「自由形式」のレポートを新規作成します。
変数パネルの「セグメント」で「+」をクリックし、新しいセグメントを作成します。
「イベント」に「view_search_results」を含むセッションを条件として「検索利用セッション」セグメントを作成してください。
同様に、もう一つ「すべてのセッション」セグメントも作成します。
この2つのセグメントをレポートの「セグメントの比較」にドラッグ&ドロップし、指標に「セッション」を追加すると、検索を利用したセッション数と全セッション数が表示され、利用率を計算できます。
利用率とあわせて見るべき指標は?
利用率を算出したら、他の指標と合わせて分析を深めます。
特に 「検索経由のコンバージョン率」は、検索機能の売上への貢献度を測る上で重要な指標です。
また、「検索キーワード」レポートで、どのような語句が検索されているか、0件ヒットになっていないかを確認することも欠かせません。
サイト内検索の利用率はサイトの種別によって異なり、商品点数の多いECサイトでは高く、コンテンツ中心のメディアサイトでは低くなる傾向があります。
自社のサイト特性を考慮して数値を評価することが重要です。
サイト内検索が使われない原因は?

サイト内検索の利用率が低い場合、その背景にはいくつかの共通した原因が存在します。
多くの場合、ユーザーが検索機能の存在に気づいていなかったり、検索しても期待した結果が得られなかったりすることが要因です。
ここでは、利用率の低迷につながる代表的な4つの原因を掘り下げます。
自社のサイトがこれらの点に当てはまっていないか、チェックしてみてください。
検索窓が見つけにくい場所に置かれていない?
検索窓がユーザーの目に入りにくい場所に配置されていると、その存在自体が認知されず、利用されません。
多くのユーザーは、サイトヘッダーの右上や中央といった慣れ親しんだ場所に検索窓があることを期待します。
検索デザインの改善については「検索デザインでユーザビリティ向上」で詳しく紹介しています。
デザイン性を優先するあまり、小さな虫眼鏡アイコンのみで表示していたり、メニューの中に隠れていたりすると、 特に初めて訪れたユーザーは見つけられずに離脱してしまう可能性があります。
検索しても見つからない経験が利用を遠ざけていない?
一度検索して欲しい商品が見つからなかった顧客は、次の訪問で検索窓を使わなくなるおそれがあるため、利用率を上げるには検索の精度を見直すことが欠かせません。サイト内検索への不満としては、 『結果が多すぎて探せない』36.9%、『おすすめが的外れ』20.8%、『異なる表記や誤字で出ない』17.6%などが挙がりました(シナブル調べ, n=1,030, 2025年12月)。
サジェストとは、検索窓に入力している途中で、候補となるキーワードや商品を自動で表示する機能のことです。類義語辞書とは、「パーカー」と「フーディ」のように意味が近い言葉を、同じ検索結果に結びつけるための辞書のことです。
EC Intelligenceのサイト内検索は、 サジェスト、類義語辞書、表記ゆれの吸収、「もしかして」補正、スペック絞り込みに対応しています。結果が多すぎる不満には絞り込みを、表記や誤字の不満には辞書と補正を、というように不満の種類ごとに打ち手を対応させると、改善の優先順位を決めやすくなります。
検索結果が0件のまま行き止まりになっていない?
検索結果が「0件です」と表示されるだけで、その後の選択肢が何も示されないと、ユーザーは行き止まりだと感じてサイトを離れてしまいます。
0件ヒットとは、サイト内検索で、条件に合う商品が1件も表示されない状態のことです。
この「0件ヒット」は、ユーザーの探求心を断ち切り、検索体験を著しく損なう原因です。
ECサイトにおける0件ヒットの対策については「ECサイトの0件ヒット(検索結果0件)とは?」で詳しく紹介しています。
0件ヒットは、単に商品がないことを示すだけでなく、 顧客を競合サイトへ逃がすきっかけにもなります。
キーワードを入力するハードルが高くなっていない?
キーワードの入力補助機能がないと、ユーザーは正確な商品名を思い出したり、入力したりする手間を負担に感じ、検索をやめてしまうことがあります。
特にスマートフォンでは、文字入力の手間はPC以上に大きくなります。
入力途中でキーワードの候補を提示する「サジェスト機能」などがない場合、入力ミスによる0件ヒットも起こりやすくなり、ユーザーの検索意欲を削いでしまう一因となります。
サイト内検索の利用率を上げるには?

サイト内検索の利用率を高めるためには、ユーザーが直面する課題を解消し、より快適で便利な検索体験を提供することが不可欠です。
検索窓の配置といったUIの改善から、検索エンジンの精度向上、さらには利便性を高める機能の追加まで、多角的なアプローチが求められます。
ここでは、利用率向上に直結する具体的な改善ポイントを解説します。
検索窓はどこに置くべき?
検索窓は、ユーザーがサイトを訪れた際に自然と目に入る場所に配置することが基本です。
PCサイトではヘッダーの右上や中央、スマートフォンサイトではファーストビューの目立つ位置に常に表示させることが推奨されます。
また、「商品を検索」のようなプレースホルダーテキストを記載することで、それが検索窓であることを直感的に理解させ、ユーザーの利用を促すことができます。
デザインはシンプルにし、クリックやタップがしやすい十分な大きさを確保することも重要です。
表記ゆれや類義語にはどう対応すればよい?
ユーザーが入力するキーワードは多様であり、表記のゆれや類義語に柔軟に対応できなければ、商品は存在するのにヒットしないという事態が発生します。
例えば、「Tシャツ」と「ティーシャツ」のような表記の違いを同じものとして扱えるよう、類義語辞書を整備することが効果的です。
また、大文字・小文字、全角・半角の違いや、簡単な入力ミスを自動で補正する機能も、検索のヒット率を高め、ユーザーの満足度を向上させます。
検索結果が0件になるときはどうすればよい?
検索結果が0件になるときは、画面を行き止まりにせず、次に進める候補を示すことが重要で、 検索0件時に調整リンクを表示するA/Bテストでは、表示した場合CVR130%という結果が出ています(EC Intelligence導入事例)。
「もしかして〇〇ですか?」と正しいキーワード候補を提示したり、関連性の高いカテゴリや人気ランキングを表示したりすることで、ユーザーはサイト内を回遊し続けられます。
0件の画面で何も示さなければ、顧客は「このサイトの検索は使えない」と感じ、次から検索窓を使わなくなりかねません。EC Intelligenceのサイト内検索は、検索結果0件時によく検索されるキーワードを表示できるほか、0件になったクエリを自動で集計し、改善に活用できます。0件クエリは、顧客が求めていたのにサイトが応えられなかった言葉の記録です。定期的に見直して辞書や商品情報に反映していくことが、検索の利用率を底上げする近道になります。
サジェスト機能は利用率にどう影響する?
サジェスト機能があると、ユーザーはキーワードを最後まで入力する手間が省け、入力ミスも減らせます。
特にスマートフォンからのアクセスが多いサイトでは、文字入力の負担を軽減するサジェスト機能の有無が、検索の利用率やサイトの使いやすさに大きく影響します。
ECサイトにおけるサジェスト機能の導入効果については「ECサイトのサジェストとは?サイトへの導入効果・方法・ツール」で詳しく紹介しています。
人気キーワードを表示する効果は?
人気キーワードを表示する効果は、何と入力すればよいか分からない人に、検索を始めるきっかけを与えられることです。検索窓に入力し直す理由としては、 『キーワードが曖昧』20.3%、『正式名称・型番がわからない』14.4%も挙がりました(シナブル調べ, n=1,030, 2025年12月)。
探したいものが言葉にならない人にとって、空の検索窓は入力のハードルになります。具体的な施策としては、ファーストビューまたはサイト内検索の直下に「よく検索されるキーワード」を表示する方法があります(対象:全訪問者/タイミング:トップページや検索窓の表示時)。
EC Intelligenceでは、 生成AIが商品データに無いキーワードまで自動生成し、AIハッシュタグを商品に自動付与します。人気キーワードの表示で入力のきっかけをつくり、曖昧な言葉でも商品にたどり着ける仕組みとあわせて整えることで、検索が「使っても見つかる機能」として定着しやすくなります。
検索履歴を表示すると何が変わる?
検索履歴を表示すると、 再訪問した顧客が前回の続きからすぐに商品を探せるようになり、同じ言葉を入力し直す手間が減ります。ECサイトの訪問は1回で購入まで完結するとは限らず、比較や検討のために何度か訪れる顧客も少なくありません。そうした顧客にとって、前回調べていた言葉がすぐ目に入ることは、検索を使い続ける理由になります。
具体的な施策としては、ファーストビューに最近閲覧したワードを表示する方法があります(対象:全訪問者/タイミング:トップページの表示時)。人気キーワードが「初めての人の入口」だとすれば、検索履歴は「戻ってきた人の入口」として役割を分けて設計すると効果的です。
サイト内検索のデータは売上にどう活かせる?

サイト内検索の改善は、利用率の向上だけでなく、そこから得られるデータを活用して売上を最大化するための応用戦略へとつなげることが可能です。
検索キーワードは顧客のニーズを直接反映した貴重なデータソースであり、これを分析・活用することで、より高度なマーケティング施策を展開できます。
ここでは、検索データを活用した2つの応用戦略を紹介します。
検索キーワードから顧客のニーズをどう読み取る?
ユーザーが検索窓に入力するキーワードは、顧客のニーズが凝縮された「生の声」です。
これらのデータを分析することで、人気商品のトレンド、 潜在的に求められているが見つかっていない商品、新たな商品カテゴリの需要などを把握できます。
例えば、特定の機能や素材に関するキーワードが頻繁に検索されている場合、それを切り口にした特集ページを作成したり、MD(商品計画)に反映させたりするなど、データに基づいた戦略的な意思決定が可能になります。
検索行動をメールやLINEの配信にどう活かす?
サイト内検索の行動データとマーケティングオートメーション(MA)ツールを連携させることで、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズ施策を実施できます。
MA(マーケティングオートメーション)とは、顧客の行動や属性に応じて、メールやLINEなどの配信を自動で行う仕組みのことです。
例えば、「特定の商品を検索したが購入しなかった」ユーザーに対して、後日その商品や関連商品の情報を含むメールやLINEを自動配信する、といったシナリオが可能です。
EC Intelligenceは サイト内検索とMAを同じ顧客データ基盤で動かしているため、商品を検索したが購入しなかった顧客をそのままセグメントにして、後追いの配信につなげられます。
これにより、一度は離脱した顧客の関心を再び喚起し、購入へとつなげる機会を創出します。
サイト内検索の利用率でよくある質問は?
サイト内検索の利用率に関して、多くの担当者が抱える疑問について回答します。
サイト内検索の利用率はどのくらいを目指すべき?
目指すべき利用率に一律の基準はなく、サイトの種類や商品数によって異なります。
ただし、率の高さそのものよりも、検索を利用したユーザーのコンバージョン率(CVR)の方が重要です。
利用率が低くても検索経由のCVRが高ければ、購入意欲の高いユーザーに的確に応えられていると評価できます。
まずは自社の現状を計測し、改善の前後で数値を比べることから始めましょう。
商品数が少ない小規模なECサイトでもサイト内検索は必要ですか?
はい、必要です。
商品数が少なくても、ユーザーは特定の商品名や型番で探す「指名検索」を行うことがあります。
その受け皿として検索機能は不可欠です。
また、サイトの規模が小さいうちから検索ログを収集・分析することで、将来の品揃えやサイト改善に役立つ顧客ニーズのヒントを得ることもできます。
スマートフォンサイトのUIで特に注意すべき点はありますか?
スマートフォンでは画面が小さいため、検索窓の視認性と操作性を最大限に高めることが重要です。
検索窓は常にヘッダーなどに固定表示し、タップしやすい大きさを確保してください。
ECサイトの導線設計については「ECサイトの導線設計はどこから見直すべきか?」で詳しく紹介しています。
また、入力時にキーボードで画面が隠れてしまわないか、検索結果ページでの絞り込みや並べ替えが指で操作しやすいかなど、実機での確認が不可欠です。
サイト内検索を使ってもらうために次に何をすべき?
この記事では、サイト内検索の重要性から、GA4を用いた利用率の確認方法、利用率が低い原因と具体的な改善ポイントまでを解説しました。
サイト内検索は、多くの顧客が商品探しに使う一方で、検索体験が悪いと購入を諦める原因にもなる、売上に直結する機能です。
検索窓の配置やUIの最適化、表記ゆれへの対応、0件ヒット対策、サジェストや人気キーワードの表示といった改善策を実行し、ユーザーにとって「見つかる」検索体験を提供することが重要です。
サイト内検索の精度改善から、検索データを活かした接客・配信までを1つの基盤で進めたい場合は、EC Intelligenceの資料で具体的な機能と活用例をご確認ください。
ECサイト特化のデータ分析&マーケティングシステム「EC Intelligence」を開発。「テクノロジーで商取引を革新し、ショッピング体験をより良くする」というビジョンの元、ECサイト・オムニチャネルの体験がさらに豊かになる情報を発信します。